
金:米利上げ観測後退で堅調
■今週の想定レンジ
4,250~4,550ドル
■概況
金相場は1オンス=4,300~4,450ドル水準で底堅く推移しました。7月米消費者物価指数と米生産者物価指数が発表されましたが、ともにディスインフレ傾向を示す数値になりました。このため、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ観測の後退が、金相場を押し上げました。米金利・ドルの値動きは限定されましたが、8月13日には4,449.21ドルまで値上がりしています。金上場投資信託(ETF)保有高が増加していることもポジティブです。ただし、週末にかけては過熱感から上げ幅を削る展開になり、4,370ドル台まで軟化しました。
■今週の戦略
米利上げ観測の後退を背景に、底堅い展開が続く見通しです。今月は雇用悪化とディスインフレの進展が確認されているため、9月の利上げは見送られるとの見方が優勢になっています。このまま米利上げ観測が後退した状態が続くと、米金利・ドルの上値が圧迫され、金相場は底堅く推移する見通しです。特に金ETF保有高の増加が続くと、買い安心感が強まります。前週は4,450ドル水準で上値を抑えられましたが、同水準を上抜くとチャート主導の買いも膨らみやすくなります。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(7月28~29日開催分)が発表されますが、当局者の金融政策見通しは分かれていることが再確認される見通しです。ただし、原油相場が急伸した際には、米金利上昇・ドル高が金相場の上値を圧迫する可能性が高まります。
■今週の注目イベント
・8月19日 FOMC議事要旨
・8月21日 米CFTC建玉報告
原油:短期上振れのリスク
■今週の想定レンジ
75~87ドル
■概況
原油相場は1バレル=80ドル台前半まで切り返す展開になりました。イランとオマーンがホルムズ海峡の航路設定で合意したため、8月5日には73.56ドルまで下落していました。しかし、その後はイランがホルムズ海峡の開放条件として米国に賠償を求める方針を示し、トランプ米大統領が逆にイランに賠償を求めると発言したことで、先行き不透明感が原油相場を押し上げました。ホルムズ海峡開放の見通しが立たない状況が続いています。ただし、国際エネルギー機関(IEA)と石油輸出国機構(OPEC)の月報では、ともに2026年の世界石油需要見通しが引き下げられ、需要ショックへの警戒感が原油相場の上げ幅を限定しました。
■今週の戦略
中東情勢が不安定化しているため、引き続き上下双方に10ドル程度の値幅を想定しておく必要があります。焦点はホルムズ海峡開放の有無ですが、トランプ米政権は今週中にイランに対する新たな「経済措置」を発表する予定です。前例のない内容になると警告されていますが、これで米国とイランの対立が一段と激化すると、85ドルの節目を上抜く可能性が高まります。イエメン武装組織フーシ派がサウジアラビアの石油関連施設を攻撃していることにも注意が必要です。ただし、米国とイランの間で歩み寄りの兆候が見られると、逆に75ドル水準まで急反落する可能性もあります。中東情勢の予見可能性はほとんどないため、原油相場の値動きも安定しづらい環境が続きます。
■今週の注目イベント
・8月19日 EIA米石油在庫
・8月21日 米石油リグ稼働数
・8月21日 米CFTC建玉報告
天然ガス:潤沢な在庫で上値重い
■今週の想定レンジ
2.50~2.90ドル
■概況
天然ガス相場は1mmBtu=2.8ドルを挟んで売買が交錯する展開になりました。熱波で発電用需要が堅調に推移していることが、下値を支えました。しかし、液化天然ガス(LNG)プラント向け需要が抑制される一方、生産量は過去最高水準に達しているため、大きく買い進むような動きは見られませんでした。在庫は引き続き潤沢なため、戻り売りが上値を抑える展開になりました。全米天然ガス在庫(8月7日時点)は前週比360億立方フィート増の3兆1,530億立方フィート。前年同期比0.8%減、5年平均比6.7%増となりました。過去5年レンジの上限付近に位置しています。
■今週の戦略
在庫の余剰感が強く、上値の重い展開が続く見通しです。8月下旬も平年を上回る高温環境が続く見通しですが、潤沢な在庫環境に大きな修正を迫るような動きは想定されていません。国内生産は好調だった7月からさらに上振れしており、LNGプラント向けの需要もメンテナンスの影響でまだ完全には回復しない見通しです。風力・水力発電に何らかの大きな混乱が発生し、火力発電が増えるか、熱帯低気圧やハリケーンでメキシコ湾の生産に障害が発生するようなことがなければ、このまま上値の重さが維持される見通しです。直近安値2.632ドルを下抜く可能性があります。
■今週の注目イベント
・8月20日 EIA米天然ガス在庫
・8月21日 米天然ガスリグ稼働数
・8月21日 米CFTC建玉報告
2026年8月16日作成
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