CFDとFXは法的には別の商品として扱われますが、どちらも差金決済取引という点では共通しており、参照原資産(CFDの価格を決める際に参照する資産のこと。例えば「日本225」のCFD価格は日経225先物を参照する)への投資に近い効果を出すため、もしくはその商品を維持するために調整額が発生します。
CFD、FXの投資をする際にはこの調整額の概念を理解しておく必要があるので、解説していきます。
調整額とは
CFDやFXでポジションを保有中に「金利調整額」「価格調整額」「配当調整額」の3種類の調整額が発生します。その3種類について、以下で詳しく解説します。
調整額はプラスの場合もあればマイナスの場合もあります。参照原資産の種類によって調整額の仕組みやプラス・マイナスが異なりますが、調整額の発生するタイミングは共通しており、ポジションを保有したまま日をまたいだ時です。その意味では、日をまたいでポジションを保有する可能性がある場合、調整額は知っておくべき概念といえるでしょう。なお、株式CFDの場合は現物株式、日本225の場合は日経225先物が参照原資産となります。
①金利調整額
株価指数や個別株、金スポットや原油スポットといった商品CFDを保有していると発生するのが、金利調整額です。レバレッジをかけてポジションを保有すると、自己資金以外の資金は証券会社から借りて取引をしていることになります。借りている資金については金利が発生するため、それが金利調整額となります。
一般的に買いポジションを保有すると発生するのが調整額支払い(マイナス)、売りポジションだと受け取り(プラス)が発生しますが、ゼロになることもあります。なお、市場環境や金利差によっては、このマイナスとプラスは逆になることもあります。
また、商品先物の場合は金利とは別に、原資産である先物の期先と期近の価格調整差による金利が発生するため、買いでもプラス、売りでもマイナスとなることがあります。
②価格調整額
先物を参照原資産とするCFDには、価格調整額が発生します。先物には限月といって権利行使日が決まっていますが、CFDにはそれがありません。
そのため、参照原資産である先物が期日を迎える前に参照限月を変更する必要があり、その際の価格変動分を調整するのが価格調整額です。
LINE CFDでは、価格調整額はない!
LINE CFDには、価格調整額が発生しません。そのため、価格調整額を気にすることなく先物系のCFD投資が可能です。
③配当調整額
株価指数や個別銘柄など、配当が発生する金融商品を参照原資産とするCFDで発生するのが配当調整額です。現物を保有すると配当が発生するのに合わせて、その効果を再現するためのものです。
配当調整額は、個別銘柄であればそれぞれの株式の配当を、株価指数の場合は構成銘柄の予想配当額をもとに決定されます。
LINE CFDの調整額の確認方法
詳しくは「金利調整額一覧」をご覧ください。
CFDの調整額を考慮した投資戦略
CFDに関連する3つの調整額を理解した上で、それを実際の投資でどう考慮していけばよいのかについて解説します。
調整額がマイナスの銘柄は長期保有を避ける
調整額がマイナスのポジションは、日をまたぐたびに少しずつ調整額を支払い続けることになります。
そのため、保有期間が長くなると、差額では利益が出ているのに調整額のマイナス分で利益を帳消しにしてしまう、もしくはトータルで損失になってしまうこともあります。
この性質を踏まえると、一般論として調整額がマイナスの銘柄は短期トレード向けであるといえます。
株式系のCFDでは配当を意識したトレードも有効
調整額がマイナスになるCFD銘柄は要注意ですが、逆に調整額がプラスになるCFD銘柄はインカム収入が期待できます。
株価指数や個別株のCFDには配当調整額が付与されることがあるため、こうした銘柄は配当収入狙いで長期保有するのもひとつの戦略です。
FXの調整額(スワップポイント)
FX投資家にとっておなじみのスワップポイントも、調整額の一種です。
金利が低い通貨を売って金利が高い通貨を買うポジションを保有するとプラススワップとなり、逆だとマイナススワップになります。CFDと同様に、日をまたぐタイミングでスワップの受け渡しが行われます。
この仕組みをいかして、FXにはスワップポイント狙いの投資手法もあります。
FXの調整額(スワップポイント)を考慮した投資戦略
FXの調整額であるスワップポイントを考慮した投資戦略を、注意点を交えて紹介します。
スワップポイントがマイナスの通貨ペアは長期保有を避ける
CFDと同様に、保有することによってスワップポイント(調整額)がマイナスになるポジションの長期保有は避けたほうがよいでしょう。日をまたぐたびに発生するため、長期保有しているとマイナススワップが大きくなり、トレードで利益を出せたとしてもスワップポイント分で収支がマイナスになってしまう恐れもあります。マイナススワップのポジションは、長くても保有期間は数週間程度にしておくのが望ましいとされます。
スワップポイントが多くなる日を意識する
金融商品としてFXを取り扱っている多くの証券会社は、土曜日と日曜日のスワップをまとめて水曜日に付与しています。つまり、水曜日に付与されるスワップポイントは週末分を含めた3倍になるということです。水曜日から木曜日にかけてポジションを持ち越す際には、スワップポイントがプラスなのかマイナスなのかを確認して、マイナスであれば日をまたぐ前に手仕舞いをするなど、一定の意識をしておくことをおすすめします。
スワップポイントを狙う投資手法
FXの世界には、スワップポイントを狙う投資手法があります。方法はとても簡単で、金利の低い日本円と高金利通貨の通貨ペアにおいて、買いポジションを持ち続けるだけです。
投資家に人気の通貨ペアとしては、トルコリラ/円や南アフリカランド/円、メキシコペソ/円などが挙げられます。これらの通貨は通貨の価値がそれほど高くない一方で高金利なので、少ない資金で高いスワップポイントを受け取り続けることができます。
FXを扱う国内の証券会社では最大25倍までのレバレッジをかけることができ、より少ない資金でスワップポイントを受け取り続けられるポジションを保有できます。証券会社によってはポジションを決済せずにスワップポイントだけを振り替えて引き出せるため、スワップポイント狙いの投資をしつつ定期的に収益を引き出して使うこともできます。ただし、上に挙げた新興国通貨は政情不安から大きな値動きが起こるリスクを抱えており、含み損が拡大しても耐えられるようレバレッジのかけすぎには注意が必要です。
スワップポイントを狙う投資の注意点
スワップポイントを狙う投資手法は簡単で高利回りということで投資家からの人気がありますが、リスクと隣り合わせでもあるため、資金管理がとても重要です。例えば高金利通貨の一角であるトルコリラは長期的に下落基調が続いており、トルコリラを持ち続けることで含み損が拡大し、資産価値が目減りしていくリスクがあります。
その一方で高金利ゆえにスワップポイントが高いため、通貨の値下がり分をスワップポイントの蓄積でカバーし上回ることでプラス収支を目指すのがセオリーです。
また、スワップポイントは収益源の一つですが、為替変動の損益がそれを上回ることもあるため、相場の方向性を無視した運用には注意が必要です。
まとめ
CFDやFXでは調整額(スワップポイント)がマイナスになることもあるため、このコストをいかに避けつつ投資効果を高くするかが重要になります。調整額やスワップポイントがマイナスになる場合は短期売買を軸に据え、長期保有を前提としないのがよいでしょう。
その逆に調整額やスワップポイントがプラスの場合は長期保有することによってインカム収入が期待できますが、急激な相場の逆行によってロスカットになってしまわないよう、資金管理を徹底することを忘れないようにしましょう。
