CFDのリスクとその対策について

CFDは魅力的な金融商品ですが、取引にはさまざまなリスクが伴います。特に、初心者ほどリスクをしっかりと把握しないと、思わぬ損失に繋がります。

CFDにはどのようなリスクがあるのか、リスクを低下させるための方法は何かを解説していきます。

そもそもCFDとは

CFDとは“Contract For Difference”の頭文字で、差金決済取引のことを指します。

現物を取引するのではなく、差額をやり取りして損益を出します。株価指数、商品、個別株などを原資産とする幅広い銘柄を取引可能で、FXもCFDと共通する点があります。特徴は、レバレッジをかけられる点で、小資金でも気軽に取引を始められます。CFDについてより詳しい解説は、「CFDとは」をご覧ください。

CFDには一定のリスクがある

CFDにはさまざまなリスクがあり、それらを十分に知らないまま取引をしてしまうと、思わぬ形で痛い目を見てしまいます。取引に伴うリスクをしっかり理解しておくことが、CFDで利益を出すためには大切です。

基本的にハイリスク・ハイリターン

CFDはレバレッジを活用して、資金以上の取引ができます。レバレッジをかけた取引が成功すれば大きな利益を得られるチャンスがありますが、失敗すればその分損失も大きくなり、場合によってはロスカットになったり追証が発生したりする可能性があります。ロスカットや追証についてより詳しい解説は、「CFDにおけるロスカットや追証の仕組みと対策」をご覧ください。

レバレッジをかけられない現物株は手元資金以上の取引はできませんが、通常の現物株取引では、手元資金以上の損失を出すこともありません。

現物株と比較すると、CFDはよりハイリスク・ハイリターンな投資であるため、取引には気を配る必要があります。

リスクを理解しておけば怖くない

CFDは現物株と比較するとリスクが大きいと説明しましたが、きちんと理解してコントロールすればリスクを抑えられるので、必要以上に恐れることはありません。むしろ、リスクはリターンの裏返しでもあります。リスクコントロールさえできていれば、大きなリターンを得られる可能性もあります。

CFDの主なリスク、そして、リスクを軽減するための方法については、以下の項目で解説していきます。

CFDの主なリスク

CFDにはさまざまなリスクがあります。ここでは主な6つのリスクを解説します。

価格変動リスク

CFDに限らず、相場は必ずしも予想通りに動いていくわけではありません。予想に反してしまうと、損失が生じてしまうリスクがあります。例えば、価格が上昇していくと考えて買いポジションを取った場合、価格が下落すると、買った時点との価格差分が含み損になります。特に、CFDはレバレッジを活用できるため、変動幅によっては、含み損が膨らみすぎてロスカットになってしまう可能性があります。

相場は常に変動しており、どの方向にどの程度動くのかは誰にも分かりません。レバレッジ取引であるCFDでは、レバレッジと値動き次第で大きな損失を被る可能性がある点には注意が必要です。

レバレッジリスク

レバレッジをかけることで手元資金以上の運用ができるため、少ない資金で大きなリターンを得られる可能性があります。一方で、レバレッジが大きいほど、逆行した場合に損失が大きくなり、急変時など条件によっては証拠金以上の損失を被ってしまう危険性があります。例えば、証拠金が10万円でレバレッジ10倍の取引だと、100万円分の取引ができます。100万円取引だと10%の損失は10万円で、証拠金を全て失います。20%下落したら20万円で、証拠金がマイナスになってしまいます。基本的に証拠金を失う前にロスカットが発動しますが、急変動が起きるとロスカットが間に合わない場合もあります。

一方で、レバレッジ1倍の取引だと、証拠金10万円で10万円分の取引しかできませんが、10%の損失は1万円と、同じ割合でも損失は少なくなります。レバレッジをかければかけるほど、取引に失敗した際のリスクも大きくなることはしっかりと理解しておきましょう。

ロスカットリスク

CFDでは、証拠金維持率が証券会社の定める一定水準を下回った場合に強制的にポジションが決済されます。この強制決済はロスカットと呼ばれています。証拠金維持率とは、必要証拠金に対する純資産の割合で、ポジションを保有するのに必要な証拠金にどれだけの余裕があるかを示しています。証拠金維持率を見ると、ロスカットのリスク状況を確認できます。比率が低いほどロスカットに近づいており、高いほどロスカットになりにくいということです。証拠金維持率は追加資金の入金や保有ポジションの一部決済などで高めることが可能です。

なお、ロスカットのルールは証券会社ごとに異なるため、取引前にしっかりと確認しておくことを推奨します。 ロスカットや追証についてより詳しい解説は、「CFDにおけるロスカットや追証の仕組みと対策」をご覧ください。

流動性リスク

流動性リスクとは、買いたいけど買えない、希望する価格で売買できないなど、取引がスムーズに成立しないリスクです。深夜や早朝といった市場参加者が少ない時間帯、取引量の少ないマイナーな銘柄、注文状況が偏りがちな経済指標発表時や災害・戦争発生時などのタイミングでは流動性リスクが高まりやすいです。

流動性リスクが高まると、スリッページが発生しやすい、スプレッドが広がりやすいなどのデメリットがあります。銘柄によってはほぼ24時間取引が可能なCFDですが、時間帯やタイミングによっては、取引コストの増加など不利益が起きる場合があります。

金利調整リスク

CFDは日をまたいでポジションを保有していると、調整額によって受け取りが発生する場合がありますが、支払いが発生する場合もあります。中長期保有を考えている場合は、ポジションを持ち越すごとに支払いが発生し、思わぬコストが積み重なっていく可能性がある点には注意が必要です。ポジションを持ち越さない場合は、原則としてコストは発生しません。

調整額のルールは証券会社ごとに異なるため、事前に確認しておきましょう。調整額についてより詳しい解説は、「CFDとFXの調整額について」をご覧ください。

信用・システムリスク

信用リスクは、取引している証券会社の破綻などによって、預けた資金が返ってこなくなるリスクです。当社をはじめ、日本の証券会社は基本的に顧客資産の保全がされているため、信用リスクは低めですが、海外業者は出金拒否などのリスクがあり、危険性が高まります。

また、業者のシステムやインターネット接続の障害やトラブルなどによって、一時的に取引ができなくなるリスクもあります。決済をしようとしたがシステム障害によって決済ができず、損失が出てしまうなどの可能性があることもきちんと把握しておきましょう。

リスクを軽減するための心得

ここまで6つのリスクを見てきました。それらのリスクをできるだけ軽減させるにはどうすればいいのかを、ここで解説していきます。

レバレッジをかけすぎない

手持ちの資金に対してロット数を増やしたり、ポジションを多く取ったりすると、レバレッジがそれだけ大きくなっていきます。早く資産を増やしたいからとレバレッジを大きくすると、失敗した際の損失が大きくなりやすく、ロスカットに陥るリスクが高まります。特に、最大レバレッジで取引をしてしまうと、少し逆行しただけで手持ちの資金を全て失ってしまう危険性もあります。

相場は100%勝てるわけではないからこそ、ポジションと反対方向に動いても耐えられるように、レバレッジをかけすぎないことがCFDで利益を獲得していくには大切です。

損切りをしっかりとする

相場は必ず予想通りに動くわけではありません。上昇すると思って買いエントリーをしたら、次の瞬間には下落していくことは多々あります。相場は上下を繰り返すケースも多いですが、それを頼りに「そのうち戻るだろう」と放置してしまうと、さらに下落を続けて、気が付いたらロスカットになって大きな損失を出してしまったというケースはありがちです。想定と異なる場合は損切りをし、仕切り直すことが被害を抑えるためには重要です。また、どの程度逆行したら損切りするかのラインをあらかじめ定めておくこともセオリーの一つです。

心理的な要因や忙しくて自分で損切りができない場合は、逆指値注文を設定しておくと、指定した価格まで逆行したら自動的に損切りしてくれるので便利です。

重要イベントや経済指標をチェックする

FOMC(連邦公開市場委員会)や日銀の金融政策発表などの重要イベント、米国雇用統計やCPI(消費者物価指数)などの経済指標発表時は結果次第で相場が大きく変動します。ポジションを持った方向に動いたら大きな利益を期待できますが、反対方向に動いたら大きな含み損を抱えてしまう可能性があります。

いつ重要なイベントがあるか、何の経済指標が発表されるのかはチェックし、大きく動きそうであればエントリーを控える、事前にポジションを決済しておくなどのリスク管理をするのも大切です。経済指標や重要イベントについては、「イベントカレンダー」から確認することが可能です。なお、要人発言や戦争、天災など、突発的に発生するイベントもあるので、日頃から情報収集をしておきましょう。

取引する銘柄の特徴や相場のクセを把握する

CFDでは株価指数、商品、個別株と非常に幅広い銘柄を取引できます。

それぞれの銘柄は影響を受けやすい要因が異なります。例えば、個別株CFDは企業の業績発表の結果次第で大きく動く可能性があり、商品は地政学リスクや天災などに反応しやすい傾向があります。また、日本時間の昼間に取引が集中する銘柄があれば、反対に夜間に動きが活発化するなど、時間帯によって動きが異なる銘柄もあります。

ボラティリティや情報量も銘柄ごとに異なるため、自分が取引する銘柄がどのような特徴があり、何に反応しやすいのかを分析・把握しておくことも大切です。

海外業者での取引には注意

CFDは海外の業者でも取引できますが、海外業者のほとんどは、日本の金融庁に登録されていません。海外に拠点を置く無登録業者は、トラブルが起きても日本の法律や規則の適用が難しいため、解決が困難という非常に大きなリスクがあります。実際にトラブル事例も報告されており、出金拒否や入金したら連絡がつかなくなるケースもあります。無登録の海外業者は問題が起きても解決が難しく、危険性が高いため、利用しない方が無難です。

なお、日本の金融庁に登録している外資系の証券会社は日本の法律や規則が適用されるので、海外業者と比較して投資家に安全な環境であるといえます。

まとめ

CFDには価格変動リスクやレバレッジリスクをはじめとするさまざまなリスクが存在するため、安易なトレードをしてしまうと、大きな損失を被る可能性があります。一方で、リスクをしっかりと理解し、対策をすることで、ある程度コントロールすることが可能です。

リスク管理に重要なのが「レバレッジの管理」「損切り」「情報収集」です。これらを徹底することでリスクを軽減し、CFD取引のメリットを享受しましょう。

URLをコピーしました