
金:ドル高続くと軟化リスク
■今週の想定レンジ
4,000~4,300 ドル
■概況
金相場は1オンス=4,400ドル水準まで切り返した後、4,100ドル台中盤まで反落する展開になりました。週前半は米国とイランの和平合意が伝わり、原油相場の急落を受けて押し目買い優勢の展開になりました。インフレ懸念の緩和を受けて、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げに対する警戒感が後退した結果です。しかし、6月16~17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で年内利上げ観測が再燃すると、米金利上昇・ドル高から戻り売り優勢の展開になり、3週連続で下落しました。FOMCでは、年末に向けて金利据え置きと利上げで当局者の見通しは割れましたが、物価安定を目指す姿勢が強調されました。
■今週の戦略
FOMC後のドル高環境が維持されると、さらに調整売りが膨らむリスクを残します。4,000ドルの節目を試す可能性もあります。米金利・ドルとの逆相関関係が重視される地合が続く見通しです。FOMC後の当局者の発言にも注意が求められます。ただし、既に年内利上げの織り込みはほぼ終了しており、米金利・ドルが上げ渋る展開になると、金相場も下値を固める展開に移行しそうです。ここからの急落リスクは限定されそうです。また、イラン和平合意を受けての原油安がさらに進行した場合にも、金相場の下値が支えられる可能性があります。25日に米5月PCEデフレーターの発表がイベントリスクになります。インフレ懸念(≒利上げ見通し)の高まりが再確認された際の、米金利・ドルの反応が注目されます。
■今週の注目イベント
・6月22日 米CFTC建玉報告
・6月25日 米5月PCEデフレーター
・6月25日 米1~3月期GDP
・6月26日 米CFTC建玉報告
原油:イラン和平合意で軟調地合
■今週の想定レンジ
70~85 ドル
■概況
原油相場は1バレル=70ドル台後半まで急落しました。米国とイランの和平合意を受けて、原油供給環境の正常化期待を織り込む動きが優勢になりました。米国とイランは戦闘終結の覚書に署名し、「最終合意」を目指して60日間の交渉に入ります。ホルムズ海峡のタンカー通航報告も増えていますが、30日以内に戦争勃発前の船舶通航環境の回復を目指す方針です。湾岸諸国からの原油供給量が増えれば、国際需給は供給不足から供給過剰に一変する可能性もあり、80ドルの節目割れを割り込み、3月3日以来の安値を更新しました。
■今週の戦略
イラン和平合意を受けて、ホルムズ海峡のタンカー通航が徐々に再開されていく見通しです。湾岸諸国は輸出拡大に強く意欲を示しており、アジアや欧州向けに大規模な供給が行われる見通しです。消費国の在庫積み増しが始まるまでは数週間のタイムラグがありますが、それでも需給ひっ迫の最悪期を脱したとの見方が広がり、原油相場は押し下げられやすい環境です。投機筋の買いポジション整理が加速すると、瞬間的に70ドル割れを試す可能性もありそうです。ただし、イスラエルとレバノンの交戦が報告されるなど和平合意の実効性が疑問視されると、反発リスクが高まります。
■今週の注目イベント
・6月22日 米CFTC建玉報告
・6月24日 EIA米石油在庫
・6月26日 米石油リグ稼働数
・6月26日 米CFTC建玉報告
天然ガス:押し目での物色妙味
■今週の想定レンジ
2.90~3.40 ドル
■概況
天然ガス相場は1mmBtu=3.0ドルの節目に迫る5月27日以来の安値を更新した後、3.2ドル水準まで切り返す展開になりました。穏やかな天候で空調用エネルギー需要が抑制されたことが、上値を圧迫しました。しかし、約2週間半ぶりの安値を更新したことで押し目買いが入り、前週比では小幅安にとどまりました。穏やかな天候が続いたものの、液化天然ガス(LNG)プラント向け需要が堅調だったことや、
生産量がやや抑制されたことが、相場を下支えしました。全米在庫(6月12日時点)は前年同期比1.0%減、5年平均比5.8%増となりました。平年を上回る十分な規模の在庫が確保されています。
■今週の戦略
気温動向に強く左右される展開が続く見通しです。気象予報では6月末にかけて南部の気温上昇傾向が強まるものの、東海岸では逆に平年を下回る気温が予想されています。空調用エネルギー需要環境の評価は割れやすい状況です。季節要因からは、夏の気温上昇に向けて3.0ドル前後の価格水準を買い拾う妙味がありますが、一方でまだ夏型の本格的な需要期は到来しない見通しです。ボックス圏での展開を前提に、押し目買いには妙味がありそうです。イラン和平の影響でLNG価格が急落していますが、天然ガス相場に対する影響は限定される見通しです。
■今週の注目イベント
・6月22日 米CFTC建玉報告
・6月25日 EIA米天然ガス在庫
・6月26日 米天然ガスリグ稼働数
・6月26日 米CFTC建玉報告
2026年6月20日作成
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