【2026年6月8日】商品CFDウィークリー

金:米インフレ指標次第で下振れ

■今週の想定レンジ
4,100~4,550 ドル

■概況
金相場は1オンス=4,300ドル台前半まで大きく値を崩す展開になりました。イラン情勢の先行き不透明感から原油相場の高止まりが続いたこともあり、改めて米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ観測を織り込む動きが優勢になりました。高インフレが定着するリスクを理由に、複数の米金融当局者が、年内に利上げを迫られる可能性を指摘しています。特に6月5日に発表された5月米雇用統計が良好な結果になると、FRBはインフレ対策に軸足を置くとの見方が強まり、米金利上昇・ドル高圧力が、金相場を一段と押し下げました。金上場投資信託(ETF)の保有残高も減少傾向が目立ちました。

■今週の戦略
FRBの利上げ観測を織り込む動きが強まると、下値模索の展開が続きやすい状況です。6月10日に5月米消費者物価指数、11日に5月米生産者物価指数が発表されます。ここでインフレ懸念を一段と高める数値が発表されると、米雇用統計が良好な結果となったこともあり、利上げ警戒感が強化される見通しです。ここで米金利上昇・ドル高が加速すると、4,150ドル水準まで一段安を試す可能性があります。金利上昇で株価が急落すると、投げ売りが広がる可能性もあります。ただし、米国とイランの和平合意に対する期待感から、原油相場を大きく押し下げるような動きがみられた際には、インフレ懸念の後退が米金利低下を促し、金相場は4,500ドル台まで切り返す可能性が残されています。

■今週の注目イベント
・6月10日 米5月消費者物価指数
・6月10日 米5月生産者物価指数
・6月12日 米CFTC建玉報告

原油:イラン情勢に一喜一憂続く

■今週の想定レンジ
80~100 ドル

■概況
原油相場は1バレル=90ドル台中盤まで切り返した後、80ドル台後半まで軟化する不安定な地合になりました。週前半はイラン情勢の緊迫化を背景に、改めて買いが膨らみました。イスラエルとレバノンの交戦を受けて、イランが米国との和平協議を打ち切りました。しかし、週後半はイスラエルとレバノンが停戦履行で合意したことを受けて、供給不安の緩和から上げ幅を削る展開になりました。トランプ米大統領は、イランとの交渉が「最終段階」にあるとの認識を示しましたが、イランのアラグチ外相は目立った進展はないと述べています。

■今週の戦略
イラン情勢次第の展開が続く見通しです。情報が錯綜しているため、短期トレンドの把握は難しい状況です。数日単位で悲観と楽観が交錯しているため、最近のボックス相場内で不安定な値動きが続く見通しです。米国とイランの和平合意に対する期待が高まると、80ドル台前半まで軟化する可能性が高まります。しかし、イスラム教シーア派組織「ヒズボラ」は停戦の受け入れを拒否しているため、改めて軍事的緊張が高まると90ドル台後半まで切り返す可能性があります。イラン情勢を巡るヘッドラインに一喜一憂する、最近の傾向が踏襲される見通しです。6月10日に石油輸出国機構(OPEC)、12日に米エネルギー情報局(EIA)の月報が発表される予定であり、どのような報告が行われるのかにも注意が必要です。

■今週の注目イベント
・6月10日 EIA米石油在庫
・6月10日 OPEC月報
・6月12日 EIA月報
・6月12日 米石油リグ稼働数
・6月12日 米CFTC建玉報告

天然ガス:気温上昇だとじり高

■今週の想定レンジ
3.00~3.50 ドル

■概況
天然ガス相場は1mmBtu=3.2ドル台まで値上がりしました。6月1日には3.394ドルまで上値を切り上げています。全米の気温が上昇傾向にあるため、空調用エネルギー需要の拡大期待が織り込まれました。平年よりも高めの気温が報告されている地域が多く、需要拡大期待が強くなっています。液化天然ガス(LNG)生産プラント向け需要はやや抑制された模様ですが、季節的には徐々にメンテナンス明けに伴う需要拡大が想定されるため、影響は軽微でした。生産量がやや抑制されたこともあり、押し目買い優勢の展開が維持されています。全米在庫(5月29日時点)は前年同期比0.1%減、5年平均比5.7%増となっています。おおむね平年並みのペースで在庫積み増しが続いています。

■今週の戦略
気温動向に強く左右される展開が続く見通しです。気象予では、6月中旬は東海岸と西海岸の双方で、平年よりも高めの気温が予想されています。北部の気温は抑制される見通しですが、空調用エネルギー需要が堅調に推移するとの見方が維持されると、このままじり高の展開が想定されます。在庫に著しいひっ迫感が浮上しているわけではありませんが、この時期は気温動向・予想に強く左右される展開が続きます。気温低下予報が伝わるまでは、季節的な需要拡大見通しを背景としたじり高の展開を想定すべきでしょう。3.5ドルの節目を試す可能性もある価格水準です。

■今週の注目イベント
・6月11日 EIA米天然ガス在庫
・6月12日 米天然ガスリグ稼働数
・6月12日 米CFTC建玉報告

2026年6月7日作成

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