投資の失敗例とその原因とは? 失敗しないためのポイントを解説!

投資には失敗して損失を負ってしまうリスクがあります。投資の失敗例についてご説明しますので、反面教師として役立ててください。

投資の失敗例とその原因とは? 失敗しないためのポイントを解説!

投資の失敗例

投資の失敗例

近年、投資は大きなブームになっていますが、投資で大きな損失を被ってしまう方も少なくありません。ここで、いくつか具体的な投資の失敗例をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

よく考えずに銘柄を購入してしまう

投資初心者の中にはよく考えずに投資を行ったものの、ビギナーズラックで利益が出るケースがあるかもしれません。しかし、その後も継続的に利益を出すことは難しいでしょう。投資で継続的に利益を出すためには、投資の基本事項や根拠を持った銘柄選定ができなければなりません。充分に検討を重ねてから、銘柄を購入するようにしましょう。

相場を見てタイミングで投資してしまう

投資は、相場状況を見極めて投資するのが良いと思われている方は多いかもしれません。しかし、投資初心者がタイミングを見極めて結果を出し続けることは、かなり難しいでしょう。なぜなら、相場はプロでも正確に読めないからです。

投資のプロでも難しいことを、投資初心者が行うのは現実的ではありません。タイミングを狙って投資してしまうと、高値づかみや値下がり時の買い増し失敗となる可能性が高くなります。投資初心者は、過度にタイミングを狙った投資をしないようにしましょう。

目先の利益で投資を行っている

銘柄選定をしっかり行わず、配当金の高さや株主優待の内容だけで投資するのは控えましょう。配当金が高いこと、あるいは自分好みの株主優待を受けられることは、投資を行う上で非常に魅力的です。しかし、投資した銘柄の株価が下落してしまっては元も子もありません。
配当や株主優待は、投資の付加価値であり、株式投資の本質は、銘柄選定をしっかり行うことです。目先の利益だけを追いかけて投資を行わないようにしましょう。

なぜ投資に失敗するのか

なぜ投資に失敗するのか

投資に失敗してしまう理由は、大きく2つに集約されます。それぞれ詳しく解説しますので、しっかり覚えておきましょう。

投資に対する知識が足りない

そもそも投資に対する知識が足りないと、投資に失敗してしまう可能性は非常に高くなります。投資の知識と一口にいっても、様々な情報が利益を上げるためには必要です。例えば、銘柄に関する知識はもちろんのこと、マーケット全体の知識も投資で利益を上げるためには欠かせません。
マーケット全体の知識には株式相場の状況だけでなく、為替相場や原油などの商品相場も含まれます。また、経済全体の知識も関わりますので幅広い知識が必要です。

投資に関する知識に「これで充分」ということはありません。投資で利益を上げ続けるためには、常に最新の知識を持っておく必要があります。しっかり投資について勉強しておかなければ、継続的な利益を上げられず失敗するリスクが高まるでしょう。

資金管理ができていない

投資で利益を得るためには、資金管理がとても大切です。余裕のある資金で投資しなければ、投資で利益を上げ続けるのは難しいでしょう。なぜなら、すぐに使う予定のある資金で投資をしてしまうと、たとえ「今は下がっているけど、今後大きく上昇する可能性が高い銘柄」に投資をしていても、株価が上昇する前に投資している株式の解約をしなければならない事態になってしまうからです。

また、借金をして投資するのも避けましょう。借金による投資では、冷静な判断ができなくなる傾向があります。例えば、消費者金融などでお金を借りてしまうと、高い利息を支払わなければならなくなってしまいます。返済のことが頭から離れず、焦りもあって、冷静な判断がしづらくなります。基本、投資は余裕のある資金で行うようにしましょう。

投資に失敗しないためにはルール作りが必要

投資に失敗しないためにはルール作りが必要

投資で失敗しないために、自分自身で投資に関するルールを作っておきましょう。様々なケースがありますから、ルールの内容は人それぞれになりますが、ここではルール作りに盛り込んでおきたい事項についてご説明します。

仕組みや商品について理解できないものには手を出さない

世の中には、たくさんの投資商品があります。複雑なデリバティブやオプションなどをつけて、とても魅力的に見せている商品も多く販売されているでしょう。そして、そのような複雑な商品に魅力を感じる方もいらっしゃるはずです。

しかし、仕組みや商品の内容について理解できないものに投資することは避けましょう。いくら感覚的に魅力的だと感じても、商品の仕組みについて理解できなければ、どのような理由で価格が上下するかわかりません。また、想定していたよりはるかに高いリスクの商品に、知らず知らず投資してしまう可能性もあります。投資で利益を出すためには、自身で完全に理解できる商品のみを対象にするようにしましょう。

積立なども有効活用し、長期的な利益を考える

短期間で大きな利益を上げたいと思っている方は多いでしょう。もちろん、相場状況によってはこれも可能です。しかし、投資で利益を狙うのであれば、長期的に考えた方が無難と言えるでしょう。なぜなら、短期間だと株価は想定外の方向に動くことはよくありますが、優良銘柄の多くは長期的に見ると上昇するケースが多いからです。

また、投資というと、まとまった金額を一括で行うイメージがあるかもしれません。もちろん、まとまった金額を一括で投資した場合、予想通りの方向に相場が動けば大きな利益を得られます。しかし逆に、大きな損失をしてしまう可能性もある点に注意が必要です。

投資には、まとまった金額で一気に行うだけでなく、毎月一定の金額を投資に回す積立投資という手法もあります。この積立投資は、投資初心者でも利益を出しやすい投資手法とされているものです。積立投資は自分でタイミングを見て投資するのではなく、毎月一定のタイミングで同じ金額を購入することで、価格が低い時には購入量が多く、価格が高い時には購入量が少なくなり、平均購入単価を抑えることが期待できます。

積立投資でおすすめなのは、つみたてNISAです。つみたてNISAは毎年40万円までを最長20年間で利用でき、利益に対する税金がかからない制度になります。通常、株式投資や投資信託で出た利益には20.315%の税金がかかりますので、非課税になるのは非常に大きなメリットと言えるでしょう。

分散投資で値下がりリスクに備える

長期投資と共に、投資の基本は様々な資産に分散して投資を行う分散投資です。値動きの違ういくつもの資産に分散して投資すれば、大きな損失を防げる可能性が高まるでしょう。
例えば、株式と債券は値動きが基本的に異なりますし、上昇するスピードや下落するスピードも異なります。そのため、その両方を持っておくことで、それぞれの資産がそれぞれの資産を補うことが可能です。

また、株式や債券だけではなく不動産投資信託のREITや原油など商品など、世の中には多くの金融商品があります。商品によって値動きやスピードは違うため、たくさんの資産に分散投資すれば値下がりリスクに備えられるでしょう。

自身の余裕資金をしっかりと把握し、投資の上限を決める

先程も触れましたが、投資を行う際は必ず余裕資金で行うようにしましょう。まずは自分の余裕資金をしっかり把握して、無理な投資をしないために投資の上限金額を決めることも大切です。

また、銘柄選定をしっかり行えば、仮に短期的に大きく下落しても、自信を持って長期で保有できます。よほど変わった銘柄や投資信託でなければ、長期で投資することで利益が出るケースが圧倒的に多いでしょう。余裕資金の中で投資の上限額を決めておくことは、長期保有により利益を目指すためにとても重要です。

売買の判断にはマイルールを決める

売買の判断にはマイルールを決める

売買の判断など、投資に関するマイルールを決めておくと良いでしょう。投資のマイルールで、特に重要なのは次の3つです。

  • 利益確定のタイミング
    株式取引をする際は、あらかじめ利益確定のタイミングを決めておきましょう。後述する損切りは非常に難しいものですが、実は利益確定も同様になります。なぜなら、人は少しの利益でも逃すことを嫌がる傾向があります。

    利益が少しでも出ると、利益を確定してしまいがちでしょう。しかし、利益は大きく伸ばさないと、最終的に投資で大きく利益を得ることはできません。あらかじめ利益確定のタイミングを決めておけば、スムーズに利益確定ができます。
  • 損切のタイミング
    損切りのタイミングを決めることは、投資で勝つ上で最重要項目の1つです。損切りを上手く行えないと、投資で利益を得ることはできにくくなります。一口に損切りといっても、以下の通り2つの種類があります。
  • ロスカット
  • 自分の意思で損切り

ロスカットとは、あらかじめ設定されたラインまで証拠金が減ってしまうと強制的に決済される仕組みです。ロスカットがあることによって、投資家の資金はある程度守られます。しかし、何度もロスカットに引っかかってしまうと、あっという間に資金はなくなってしまうでしょう。

トレードルール作りでいう損切りとは、自分の意思で損切りを行うことです。投資では、損失を負うこともありますので、適切な損切りを行うことがとても大切になります。
ただ、実際に損切りするのは簡単ではありません。利益確定のご説明でも取り上げましたが、人は利益を逃したくなく、かつ損失は確定させたくないものです。つまり、損切りは人の本能に逆らった行為になります。

繰り返しになりますが、トレードルールを決めずに本能のままトレードしてしまうと、適切な損切りを行えません。そして適切な損切りができない結果、大きな損失を被ってしまうことになります。いざその場になった時にちゃんと実践できるよう、損切りについては厳密なルールを作っておくことを覚えておきましょう。

  • 資金管理

資金管理を徹底して行わないと、あっという間に資金がなくなってしまう可能性があります。最悪の場合、手元に資金がないからと消費者金融などで借り入れてしまい、人生を狂わせるような事態に陥ることも考えられます。

人間は感情の生き物です。勝っている時は良いのですが、負けている時はその損失をすぐに取り戻したいと考えてしまいます。すぐに損失を取り戻すために、大きな資金でトレードするのが手っ取り早いという思いに至る可能性もあります。その結果、無理な金額でトレードしてしまい、さらに損失を被ってしまうのです。

消費者金融などで借り入れた資金でトレードして負けた場合、金利の高い借金だけが残ってしまいます。これは、誰しも望むことではないでしょう。株式取引は大きな利益を狙える金融商品ですが、逆に大きな損失を被ってしまう金融商品とも言えます。資金管理を徹底し、望まざる事態を招かないよう注意しましょう。

まとめ

投資で起こり得る失敗についてご説明しました。投資では多大な利益を上げている方がいる一方、大きな損失をしてしまっている方もいます。投資は、正しく行えば決して怖いものではありません。
しかし、投資について勉強せず、いきなり大きな資金で取引してしまう方は少なくないでしょう。必要な知識を身につけなければ、損失を出す可能性は高まってしまいます。投資で利益を目指すのであれば、投資の正しい知識を身につけるようにしましょう。

監修者プロフィール

渡辺 智(ワタナベ サトシ)
FP1級、証券アナリスト。

<プロフィール>
大学商学部卒業後は某メガバンクに11年勤務し、リテール営業やプライベートバンカー業務、資産運用コンサルティング(投資信託、保険、債券、外貨預金など)、融資関係業務(アパートローン、中小企業融資)などを経験。銀行在籍中、2度の最優秀営業賞を受賞。銀行在籍時の金融商品販売額は500億円を超え、3000人を超える顧客に金融商品営業を行う。その後、外資系保険会社でコンサルティング営業として従事し、現在は業務経験・知識を活かして金融ライターとして独立。難しい金融をわかりやすく伝えることをモットーに活動中。