毎日もらえるスワップポイント。売りのポジションは要注意

今週のテーマはこちら
毎日もらえるスワップポイント。売りのボジションは要注意

2国間の金利差で発生するスワップポイント

FX(外国為替証拠金取引)には、2通りの利益の狙い方があります。ひとつは為替の変動による為替差益(キャピタルゲイン)、もうひとつは投資する2国間の通貨の金利差によって生じるスワップポイントです。スワップポイントはいわゆる「利息」のようなもので、「金利の低い通貨を売って、金利の高い通貨を買う」ことで、その金利差分が日割りで計算され、基本、毎日発生することになります。今回は、スワップポイントについて詳しく解説していきます。

【スワップポイントのイメージ図】

前提として、FXは2カ国の通貨を対象に「一方の通貨を売って、もう一方を買う」という金融商品です。どちらの通貨を売って、どちらを買うかは投資家が判断することになります。では、個人投資家にもおなじみの米ドル/円の通貨ペアで考えてみましょう。

 円を売って、ドルを買うケースでは、「買い」を選んでエントリーします。この場合、「ドル買い、円売り」のポジション(建玉)を保有することになり、為替がドル高(円安)に動けば為替差益(利益)が、ドル安(円高)に動いた場合には為替差損(損失)が発生します。つまり、将来的なドル高(円安)を予測するのであれば「買い(ロング)」を、ドル安(円高)を予測するのであれば「売り(ショート)」のポジションを取ることになります。

 一方、金利の低い通貨を売って、金利の高い通貨を買っている場合には、為替の変動とは関係なく、スワップポイントが発生します。米ドル/円の通貨ペアでいえば、日本円の金利が低く、米ドルの金利が高いことから、「買い(ロング)」のポジションを持つことでスワップポイントを受け取ることができます。

FXでは、為替差益とスワップポイントの2種類の利益を狙うことが可能です。

【FX投資で得られる利益】

なお、それぞれ通貨の金利は、各国の政策金利によって変動します。たとえば、米ドル/円の通貨ペアであれば、1日当たりの「買い(ロング)」のスワップポイントは、1万通貨あたり210円(2023年7月6日現在)。仮にこの金額が変わらないとすれば、1年間保有することで為替の変動にかかわらず7万6650円程度(210円×365日)のスワップポイントを受け取ることができるわけです。

FXは米ドル/円以外にもさまざまな通貨ペアに投資することができます。ちなみに、LINE証券が提供する「LINE FX」では11通貨からなる合計23種類の通貨ペアに投資することができます。スワップポイントを狙うためには、各通貨ペアで「金利の低い通貨を売って、金利の高い通貨を買う」必要があります。

ドル安狙いの「売り」では、スワップポイントの支払いが発生

ここで気をつけなくてはいけないのが、逆に「金利の高い通貨を売って、金利の低い通貨を買う」場合です。米ドル/円の通貨ペアでいえば、「米ドル売り、円買い」に該当する「売り(ショート)」の建玉を保有するケースです。このポジションを保有する投資家は、スワップポイント分を支払う必要が生じます。前述したようにスワップポイントは為替変動とは関係なく発生しますので、仮に為替がドル高(円安)に動いた局面では、為替差損(損失)に加えて、スワップポイントの支払いというダブルの損失が生じてしまうことになります。

【売りの場合のスワップポイントのイメージ図】

スワップポイントは、ニューヨーク市場が終了した時点で未決済のポジションに対して発生します。簡単に言えば、ポジションを決済せずに翌日に持ち越すとスワップポイントを付与又は支払うことになります。ですから、新規のポジションを持っても、その日のうちに決済した場合には、スワップポイントの受け渡しは発生しないことになります。

基本、毎日発生するスワップポイントですが、日によっては1日で数日分が付与されることもあります。これは、スワップポイントが祝日や土日といった外国為替市場が休場している時にも発生するからです。

わずか1日の保有で3日分が付与されることも

FXでは、商品の性質上、売買の当日ではなく、2営業日に決済(資金の受け渡し)が行われます。たとえば、水曜日に建てたポジションを翌日の木曜日に持ち越すと、決算されるのは翌週の月曜日になるため土日分が加算され、3日分のスワップポイントをゲットできることになります。そのほか、年末年始や大型連休など、取引している通貨ペアの国に祝日などが控えているようなケースでは、1日で3日分以上のスワップポイントが発生するときもあります。過去のゴールデンウィークでは、1日で11日分のスワップポイントが発生した日もありました。

 ちなみに「LINE FX」では、ホームページ上の「スワップポイントカレンダー」からスワップポイントの金額や付与日数を確認することができます。まずは難しく考えずに、いつ買ったらどれくらいのスワップポイントがつくのかを確認してみてはいかがでしょうか。

 現在は、欧米各国が政策金利を引き上げる中で、日本は低金利政策を継続しています。ですので、日本円を対象にした通貨ペアのスワップポイントが高く設定されています。もちろん、せっかくスワップポイントを受け取っても為替差損が大きければ、トータルの利益はマイナスとなってしまうこともあります。ですが、長期間で保有していればスワップポイントはどんどん増えていきますので、多少の為替変動にも耐えられることになります。

 現在の日本の銀行の利息は「雀の涙」で、定期預金金利でも年間0.002%しかつきません。一方、FXでは米ドル/円の通貨ペアで年間5%以上のスワップポイントが期待できます。単純計算でも銀行預金の2,500倍以上! さらにFXでは、レバレッジが(てこの原理)25倍も掛けられますので、より効率的な資金運用ができるというわけです。

レポート作成元:株式会社デジタルアイデンティティ
重要事項(ディスクレーマー)
本レポートは、あくまで情報提供を目的としたものであり、投資その他の行為および行動を勧誘するものではありません。投資の決定は、お客様ご自身の判断と責任とさせていただきます。
本レポートは株式会社デジタルアイデンティティが信頼できると判断した情報をもとに株式会社デジタルアイデンティティが作成・表示したものですが、株式会社デジタルアイデンティティは本レポートの内容および当該情報の正確性、完全性、的確性、信頼性等について、いかなる保証をするものではありません。
本レポートに掲載されている発行体の有価証券、通貨、商品、有価証券その他の金融商品は、企業の活動内容、経済政策や世界情勢などの影響により、その価値を増大または減少することもあり、価値を失う場合があります。本レポートは将来のいかなる結果をお約束するものでもありません。お客様が本レポートおよび本レポートに記載の情報をいかなる目的で使用する場合においても、お客様の判断と責任において使用するものであり、使用の結果として、お客様になんらかの損害が発生した場合でも、株式会社デジタルアイデンティティは、理由のいかんを問わず、いかなる責任も負いません。
本レポートは、株式会社デジタルアイデンティティが作成し、LINE証券が加工・修正しております。