
金:ドル高再燃しなければ底堅い
■今週の想定レンジ
4,050~4,350 ドル
■概況
金相場は1オンス=3,941.80ドルまで値下がりして年初来安値を更新した後、4,160ドル台中盤まで切り返す展開になりました。週前半は米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ対応として利上げに動くとの観測を織り込む動きが優勢になり、下値模索の展開が続きました。米連邦公開市場委員会(FOMC)後の売り圧力が維持されました。しかし、7月入り後はドル高の一服感から安値修正の動きが優勢になりました。特に6月米雇用統計が市場予想を大きく下回ると、利上げ警戒感が緩和されたことが、金相場の反発を促しました。
■今週の戦略
ドル高圧力が再燃しなければ、下げ一服感から修正高が打診される可能性が高まります。米利上げ観測の織り込みに一服感が強まり、米金利上昇・ドル高圧力が止まると、金相場のみが値下がりを続ける必要性は薄れます。実際に利上げが行われるかも不透明な環境にあって、ネガティブ材料の出尽くし感が維持されるかが焦点になります。8日にFOMC議事要旨(6月16~17日開催分)が公表されることがイベントリスクになりますが、ここで改めて利上げの織り込みによる値下がりがみられなければ、4,000ドル水準が当面のボトム圏として認識され、修正高でも4,200~4,300ドル水準を打診する可能性が高まります。下落リスクは、米金利上昇・ドル高の再開になります。
■今週の注目イベント
・7月6日 米CFTC建玉報告
・7月8日 米FOMC議事要旨
・7月10日 米CFTC建玉報告
原油:供給改善でじり安
■今週の想定レンジ
65~72 ドル
■概況
原油相場は1バレル=67.04ドルまで下値を切り下げる展開になりました。湾岸諸国からの原油輸出の再開が上値を圧迫しています。サウジアラビアからは複数の超大型タンカー(VLCC)が出航し、輸出再開が本格化しています。米国とイランの間では対立も続いていますが、カタールとパキスタンの仲介で実務者レベルの間接協議が行われるなど、改めて緊張を高めるような動きは回避されています。このまま湾岸諸国の輸出量が回復していけば、国際需給は供給不足から供給過剰に転換するとの見方が、原油相場の一段安を促しました。2月27日以来の安値を更新し、イラン戦争勃発時の価格水準に回帰しました。また、WTI原油先物のサヤ(限月間スプレッド)はほぼフラット化し、期近限月に加算されたプレミアムもほぼ解消されました。
■今週の戦略
供給環境の改善が続けば、上値の重い展開が続く見通しです。ホルムズ海峡を通過するタンカーの通航報告は増えており、湾岸諸国からの原油輸出が拡大すれば、原油相場が大きく上昇するリスクは限定されます。すでに十分に値下がりが進んだと評価することも可能な値位置ですが、買い方ファンドの持高調整が加速すると、65ドル水準を試す可能性も想定しておく必要があります。ただし、中東情勢は引き続き不安定なため、ホルムズ海峡の再封鎖を警戒させるような動きがみられた際には、70ドル台を回復する余地が残されています。7月10日に国際エネルギー機関(IEA)月報が公表される予定であり、原油需給環境の変化についてどのような評価が示されるのかが注目されます。
■今週の注目イベント
・7月6日 米CFTC建玉報告
・7月7日 EIA月報
・7月8日 EIA米石油在庫
・7月10日 IEA月報
・7月10日 米石油リグ稼働数
・7月10日 米CFTC建玉報告
天然ガス:熱波一服すれば横ばい
■今週の想定レンジ
3.00~3.50 ドル
■概況
天然ガス相場は1mmBtu=3.1~3.3ドル水準で売買が交錯する展開になりました。全米規模で熱波が観測されたことで、空調用エネルギー需要の拡大期待が下値を支えました。また、液化天然ガス(LNG)プラント向け需要が引き続き堅調に推移していることもポジティブです。ただし、7月中旬に向けて熱波が緩むとの予報が伝わると、短期筋の利食い売りもみられ、改めて上値を切り上げるような動きは見送られました。引き続き在庫が十分な水準にあることも上値を圧迫しており、最近のボックス相場が続いています。全米在庫(6月26日時点)は前年同期比0.8%減、5年平均比6.4%増となりました。平年よりもやや在庫積み増しペースが速くなっています。
■今週の戦略
主要消費地の気温動向に強く左右されます。気象予報通りに気温が低下すれば、上げ一服感が強まる見通しです。ニューヨークでは一時40度に迫る高温が観測されていましたが、30度台前半まで気温が低下する見通しです。空調用エネルギー需要が平年並みの水準にとどまると、LNGプラント向け需要が堅調なことを考慮に入れても、上値切り上げは難しいでしょう。米国内生産が安定していることも、引き続きネガティブです。ただし、欧州で観測されているような熱波が北米でも発生するような状況になると、急伸する可能性があります。
■今週の注目イベント
・7月6日 米CFTC建玉報告
・7月9日 EIA米天然ガス在庫
・7月10日 米天然ガスリグ稼働数
・7月10日 米CFTC建玉報告
2026年7月5日作成
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