
金:ドル高一服だと自律反発
■今週の想定レンジ
4,000~4,300 ドル
■概況
金相場は1オンス=4,000ドルの節目を割り込んだ後、4,070ドル水準まで切り返す展開になりました。米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ対応で利上げに動くとの観測が織り込まれ、ドルインデックスが年初来高値を更新したことが、金相場の年初来安値更新を促しました。米長期金利の上昇は一服しましたが、ドル高圧力は維持されました。利上げ警戒感から、機関投資家が金上場投資信託(ETF)の保有残高を圧縮したこともネガティブです。ただし、6月25日に発表された5月米PCEデフレーターが市場予想と一致すると、ドル高一服が金相場の修正高を促しました。
■今週の戦略
FOMC後のドル高圧力が一服すると、修正高が打診されやすくなります。ドル相場の動向次第の相場環境ですが、FRBの利上げ観測の織り込みに一服感が広がり始めていることはポジティブです。原油相場の上値が重い状態が維持されると、米金利に続いてドルも上げ一服感が強まりやすくなります。7月3日は米独立記念日振替休日のため、持ち高調整が促されやすいカレンダー環境にも注意が必要です。自律反発が促されると、4,300ドル水準までの切り返しが想定されます。ただし、あくまでもドルとの逆相関で値動きが決まるため、改めてドル高圧力が強くなった際には、改めて4,000ドルの節目割れを試すリスクがあります。7月2日に6月米雇用統計が発表されますが、利上げの議論を後退させるほど弱い数値は想定されていません。
■今週の注目イベント
・7月1日 6月米ISM製造業指数
・7月2日 6月米雇用統計
原油:供給改善で上値重い
■今週の想定レンジ
65~75 ドル
■概況
原油相場は1バレル=70ドルの節目を割り込む軟調地合になりました。ホルムズ海峡の原油流通の改善が進んだことが、原油相場の値下がりに直結しました。湾岸諸国の原油輸出が回復し、ホルムズ海峡のタンカー通航報告が相次いでいます。米財務省は、イランが核査察を受け入れた見返りとして、イラン産原油の当面の販売を認める許可を出しています。このまま湾岸諸国の原油輸出が正常化に向かえば、国際原油需給は供給不足から供給過剰に転じるとの見方が織り込まれました。2月27日以来の安値を更新し、イラン戦争勃発時の値位置に近づいています。ただし、6月25日にはシンガポール船籍の貨物船が攻撃を受けたことで、一時的に買いが膨らむ場面もみられました。
■今週の戦略
供給環境の改善が続くと、上値の重い展開が続く見通しです。ホルムズ海峡の封鎖解除を受けて、供給環境は着実に改善しています。供給増がアジアや欧州の消費国に到達するまでは数週間のタイムラグがありますが、それでも需給ひっ迫のピークを過ぎたとの見方が維持されると、70ドル割れ定着が進みやすくなります。大口投機筋は依然として大規模な買いポジションを保有し続けているため、投げ売りが広がると65ドル水準まで値下がりが進む可能性もあります。ただし、週末にかけて米国とイランとの間で攻撃の応酬も報告されています。ホルムズ海峡の原油流通が大きく落ち込む事態になると、70ドル台中盤まで切り返す可能性は残されています。
■今週の注目イベント
・7月1日 EIA米石油在庫
・7月2日 米石油リグ稼働数
・7月5日 OPECプラス会合
天然ガス:熱波だとじり高に
■今週の想定レンジ
3.00~3.50 ドル
■概況
天然ガス相場は1mmBtu=3.2ドル台を中心に底堅く推移しました。原油相場は大きく値を崩していますが、天然ガス相場は良好な需要見通しを背景に下値を固めました。東海岸を中心に気温上昇が本格化し始めたため、空調用エネルギー需要の拡大期待を織り込む動きが優勢になりました。液化天然ガス(LNG)プラント向け需要も堅調に推移しました。米国内の安定した生産環境、十分な在庫が確保されていることが上昇余地を限定しましたが、3.2ドル水準では押し目買いを入れる動きの強さが目立ちました。全米在庫(6月19日時点)は前年同期比1.7%減、5年平均比5.7%増となりました。在庫水準、在庫積み増しペースともに、需給ひっ迫を強く意識させる状況にありません。
■今週の戦略
主要消費地で気温上昇が進むと、底堅い展開が想定されます。気象予報では、ニューヨーク州では最高気温が30度台後半に達するなど、気温上昇が本格化する見通しです。全国的に平年を上回る気温が予想されているため、空調用エネルギー需要の拡大期待が織り込まれると、3.5ドルの節目に迫る可能性もあります。今季は在庫が潤沢にあるため、直ちに需給ひっ迫感が強まる環境にはありませんが、それでも気温動向に敏感な地合が想定されます。一方で、気温上昇が短期的なものにとどまると、調整売りが上値を抑える可能性があります。
■今週の注目イベント
・7月2日 EIA米天然ガス在庫
・7月2日 米天然ガスリグ稼働数
2026年6月26日作成
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