
金:イラン和平だと押し目買い
■今週の想定レンジ
4,450~4,800 ドル
■概況
金相場は1オンス=4,500ドル水準でやや上値の重い展開になりました。原油高によるインフレ懸念を背景に米長期金利が急伸したことで、一時4,453.70ドルまで下落して、3月30日以来の安値を更新しました。米連邦準備制度理事会(FRB)の次の政策調整が「利下げ」ではなく「利上げ」になる可能性が警戒されました。しかし、週後半は米国とイランの和平合意に対する期待感から原油相場が軟化し、それにつれて米長期金利が低下したことが金相場を下支えしました。前週比では続落しましたが、大きな値動きには発展しませんでした。
■今週の戦略
米国とイランの和平合意が実現すれば、原油安や米金利低下を受けて、金相場は底堅く推移する見通しです。トランプ米大統領は5月23日、イランの和平の「大部分の交渉」がまとまったと発表しています。詳細について協議が残されていることも報告されていますが、実際に和平合意が発表されると、約3ヵ月にわたって続いたイラン戦争は終結し、金相場はこれまでの上値の重い展開の反動高となる可能性が高まります。焦点は金利動向となりますが、インフレ懸念の後退で着実な金利低下が促されれば、5月高値4,772.88ドルを上抜き、4,800ドル台乗せを試す可能性が高まります。ただし、和平合意が失敗した際には、失望売りで下値を切り下げるリスクがあります。インフレ指標として、5月28日の4月米PCEデフレーターには注意が必要です。
■今週の注目イベント
・5月28日 米4月PCEデフレーター
・5月28日 米1~3月期GDP改定値
・5月29日 米CFTC建玉報告
原油:イラン和平実現だと軟調
■今週の想定レンジ
80~100 ドル
■概況
原油相場は1バレル=105ドル水準で上値を抑えられ、90ドル台中盤まで値下がりしました。供給障害の長期化が警戒されて100ドル台を回復していましたが、米国とイランの和平合意に対する期待感が急浮上すると、改めて100ドル台を割り込みました。実際に合意が成立するのかは懐疑的な見方も根強かったものの、米国とイランの双方で和平協議に前向きな動きが報告されたため、近く和平合意が実現する可能性を織り込む動きが優勢になりました。足元の需給ひっ迫は深刻化していますが、それよりもイラン情勢の改善期待を織り込む動きが優勢になりました。
■今週の戦略
米国とイランの和平合意が実現すれば、上値の重い展開になる見通しです。トランプ米大統領は5月23日、和平交渉がほぼまとまったとして、最終合意について協議中であり、近く発表すると表明しました。実際に和平合意が実現すれば、ホルムズ海峡の通航再開も盛り込まれる見通しであるため、供給不安が大幅に緩和される可能性が高まります。世界的に在庫の取り崩しが続いていたため、ホルムズ海峡の通航が再開されても、直ちに需給ひっ迫状態が解消されるわけではありません。このため、高止まりが続く可能性も残されていますが、初期反応としては80ドル台にレンジを切り下げる可能性が高いでしょう。三角保ち合い相場が形成されているため、ブレイクがみられるとチャート主導の大きな値動きに発展する可能性もあります。一方、和平合意に失敗した際には、失望感から急伸するリスクが残されます。
■今週の注目イベント
・5月28日 EIA米石油在庫
・5月29日 米石油リグ稼働数
・5月29日 米CFTC建玉報告
天然ガス:天候穏やかだと調整安
■今週の想定レンジ
2.80~3.20 ドル
■概況
天然ガス相場は1mmBtu=3.274ドルまで値上がりした後、3.0ドル水準まで反落する展開になりました。週前半は熱波が発生したことを受けて、空調用エネルギー需要の拡大期待が、天然ガス相場を大きく押し上げました。想定よりも早く夏型の天候になったことが、相場を素直に押し上げました。しかし、熱波が終息に向かい始めると高値を維持できず、逆に戻りを売られる展開になりました。生産量が抑制されていることはポジティブですが、引き続き液化天然ガス(LNG)生産向け需要が抑制されていること、十分な在庫が確保されていることはネガティブとなっています。
■今週の戦略
気温動向に強く左右される中、熱波一巡でやや調整売りが広がりやすい環境です。今週はNYMEX天然ガスの先物・オプションの納会を控えて不規則な値動きになる可能性もありますが、熱波発生がなければ持高調整の動きが上値を圧迫するでしょう。米天然ガス在庫は前年同期比1.4%増、5年平均比6.6%増と、潤沢な在庫環境も上値を圧迫する見通しです。ただし、5月も最終週とあって、季節的には徐々に気温上昇傾向が強まる見通しです。夏型の天候に移行する時期も近づいており、夏の空調用エネルギー需要期を見据えて押し目を買う妙味もありそうです。
■今週の注目イベント
・5月28日 EIA米天然ガス在庫
・5月29日 米天然ガスリグ稼働数
・5月29日 米CFTC建玉報告
2026年5月24日作成
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