ナスダック(NASDAQ)とは?

2021年9月8日

 

ナスダックとはどういうもので、どのような値動きをするのか。その他の指標との違いなどについて解説します。

ナスダック(NASDAQ)とは

ナスダックは全米証券業協会が運営しているアメリカにある2つの株式市場の一つ。シリコンバレーのハイテク株や、IT関連の新興企業の株の占める割合が高く、ベンチャー企業向けの株式市場です。

 

ベンチャー企業向けの株式市場

ベンチャー企業向けとは言っても、アメリカを代表する世界的な大企業となったGAFAM(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフト)の銘柄が上場しているほか、ネットフリックスやテスラや近年注目を集めている銘柄もある株式市場です。現在ではアメリカ企業だけでなく、日本企業でも日産自動車や任天堂、マキタ等の銘柄も含まれ、全3,000銘柄以上が上場されています。

 

ナスダックの取引の仕組み

ナスダックの正式名称は「National Association of Securities Deals Automated Quotations」。「National Association of Securities Deals」が全米証券業協会のことを示し、Automatedが「自動化された」、Quotationsが相場・時価等。全米証券業協会が創設したコンピュータによって自動化され、相場が決定する自動証券取引所という意味です。この頭文字を取ってNASDAQと呼ばれています。世界初の取引立会場の無い電子取引所として、1971年に創設されました。

 

ナスダックが創設されるまでは株式という紙の実物の売買が一般的で、電子的なデータとしてネットワークを利用し、株価を計算・提示することはありませんでした。そこで全米証券業協会が、現在のような株式を買いたい人・売りたい人がそれぞれ希望する価格で売買の注文を出し、それを自動的に計算・提示して投資家が取引できる仕組みを導入。現在のような取引の仕組みになっています。

マザーズ、ジャスダックとの違い

日本におけるマザーズやジャスダックといった証券取引所は、ナスダックのようにどちらも新興市場とも呼ばれる成長企業が中心の株式市場です。

 

マザーズ(Mothers)

マザーズは「Market of the high-growth and emerging stocks」の頭文字を取って「Mothers」と呼ばれ、東京証券取引所に開設されているベンチャー企業向けの市場。東証一部・二部が利益や創立からの年数が重視されるのに対し、マザーズでは今後の成長が条件とされています。そのため、赤字であっても将来的に成長が見込める場合には上場することが可能です。一方で、企業の情報公開は厳密に求められるため、投資家は豊富な情報を元にハイリスク・ハイリターンな投資を行うことができます。

 

ジャスダック(JASDAQ)

ジャスダックもマザーズと同じく、成長企業向けの市場です。もともとは日本証券取引業協会が創設した店頭取引制度が源流で、1983年に成長企業向けに整備され、ナスダック(NASDAQ)の日本版のような意味で名前がつけられました。

 

ジャスダックは、スタンダードとグロースに分けられており、スタンダードに老舗企業が、グロースに新興企業が多くなっています。上場の条件には、形式的審査基準と実質的審査基準があり、流通する株式の時価総額、利益、純資産額等の条件が設けられています。

スタンダードでは企業の存続性が重視されていて、グロースでは企業の成長性を重視。ジャスダックとマザーズはいずれも新興企業向けの市場ですが、マザーズは新興企業のみの市場と言えるでしょう。

 

ナスダックも、もともとは同じ新興企業向けの市場でした。しかし、今ではGAFAMを始めとする世界経済をけん引する企業が上場している巨大な市場です。

これに対し、マザーズやジャスダックに上場する株式と比較すると、その規模には大きな差があります。

ニューヨーク証券取引所(NYSE)との違い

ナスダックとニューヨーク証券取引所(NYSE)は、どちらもアメリカの代表的な株式市場です。NYSEは時価総額が世界最大であり、世界の株式取引高の約半分を占めています。

 

NYSEとナスダックの大きな違いは、上場している企業の種類です。NYSEに上場しているのは主に歴史の長い大型の優良企業で、代表的な企業としてはコカ・コーラ、ウォルトディズニー、IBMなどがあります。

NYSEに上場するには厳しい審査が必要となり、中小の新興企業銘柄が中心だったナスダックに対して歴史のある大型の優良企業銘柄が中心です。

 

NYSEは大型の優良企業銘柄、ナスダックはハイテク系ベンチャー企業を中心とした銘柄と分けられていました。しかし、ナスダックの上位銘柄を始めとしたIT・ハイテク関連銘柄が大きく成長し、近年ではNYSEでも新興企業株を取り入れ始め、NASDAQとの特性の差が小さくなってきています。

 

NYSEには外国企業の銘柄も上場されており、日本企業も1970年にソニーが上場。さらに本田技研工業やトヨタ自動車、三菱UFJフィナンシャル・グループ等が上場しています。

ナスダック総合指数

ナスダック総合指数とは

ナスダック総合指数とは、ナスダック市場に上場する全ての銘柄を時価総額加重平均で算出した数値のこと。1971年の2月5日に算出が開始され、この日の終値を基準値である100ポイントとして計算されています。なお、ナスダック総合指数の価格の単位は「ドル」ではなく「ポイント」です。

 

現在、ナスダック総合指数は「NYダウ(ダウ工業株30種)」や「S&P500」と並び、アメリカの代表的な株価指数として世界的に知られています。また、その特色として指数全体に対しシリコンバレーのハイテク株やIT関連株の占める割合が高いため、その業績動向が反映されやすいと言われているものです。

 

ナスダック総合指数とNYダウの違い

NYダウは「ダウ工業株30種」とも呼ばれますが、現在は工業株のみでなくナスダックに上場する企業も含め、アメリカの代表的な優良企業30社のパフォーマンスを測定する株価指標。S&P500はナスダック、NYSEに上場する代表的な500銘柄を選出し構成する平均値です。

 

ナスダック総合指数は、ハイテク株、IT株の株価の影響を受けやすい特徴があり、アメリカのハイテク関連やインターネット関連の動向を把握するのに最適な株価指数となっています。

 

例えば、NYダウやS&P500が下がったときでも、ナスダックが上がっているときにはIT・ハイテク関連の株価が上がっているといったことになります。

また、2000年のITバブルの頃にはNYダウとS&P500共に大きな値動きは見せなかったものの、ナスダック総合指数は一時的に大きく値上がりしている時期がありました。このようなことからも、IT・ハイテク関連銘柄が値動きに大きく影響していることがわかるでしょう。

 

ナスダック100、ナスダック金融100指数とは

ナスダックの有名な、その他の株式指標に「ナスダック100」があります。これはナスダック上場銘柄のうち、金融関連の銘柄を除いた時価総額(※1)の大きい上位100銘柄の平均株価指標です。ナスダック100は125ポイントを基準値としています。

 

(※1)時価総額

時価総額の計算方法は以下の通りです。

【計算式】時価×発行済み株式数

 

時価総額の上位銘柄にはGAFAMがあり、ナスダック総合指数やナスダック100の値動きにはこれらの企業の値動きが大きく影響し、この2つの指数は同様の値動きをしています。

 

その他に金融株の上位100銘柄で構成される「ナスダック金融100指数(NASDAQ Financial-100)」という指標もあります。これはナスダック100指数から除かれた金融関連の100銘柄の平均指数のこと。250ポイントが基準値となっています。

ナスダック総合指数の成長

ナスダック総合指数は、過去30年で20倍以上にまで成長したと言われているほどです。新型コロナウイルスの影響で一時下落したものの、その後に回復して過去最高の高値を記録。コロナショックの影響により、動画配信サイトや在宅勤務に関連した会議システムやセキュリティサービスなどの需要が高まり、IT関連の上場銘柄の成長を後押ししたと見られています。

 

リーマンショック以後、これまでアメリカの代表的な指標とされていたNYダウやS&P500よりも、ナスダック総合指数ははるかに大きな成長を遂げています。このようにIT・ハイテク関連銘柄の後押しで大きく成長してきたナスダックの指数に連動した成果を目指すインデックスファンドもあり、ナスダックの値動きに連動しその成長を取り入れることができます。

 

LINE証券では、ナスダック100の値動きに投資することが可能

LINE証券では「上場インデックスファンド米国株式(NASDAQ100)為替ヘッジあり」、「上場インデックスファンンド米国株式(NASDAQ100)為替ヘッジなし」、「NEXT FUNDS NASDAQ-100連動型上場投信」がラインナップされており、ナスダック100の値動きに投資することが可能です。

 

ナスダック100はナスダックに上場する企業のうち、金融系の銘柄を除いた上位100銘柄の平均です。そのため、ナスダック総合指標よりもさらにIT・ハイテク関連銘柄の値動きが影響する特徴があります。そのため、よりダイレクトにこれらの銘柄の成長を取り入れることができるとも言えるでしょう。

 

iFreeレバレッジ NASDAQ100とは

また、ナスダック100の値動きの2倍の成果を目指す、「iFreeレバレッジ NASDAQ100」というブル型の投資信託もあります。レバレッジ効果によりナスダック100が10%上昇した際には、この商品は2倍の20%上昇。反対にナスダック100が10%下落したときには、同じく20%価格が下がります。

このような特徴の商品もあり、資金を有効活用することが可能です。そのため、リーマンショックやコロナショック時など一時的に大きく値下がりし、株価の反発が見込まれる場合等に活用を検討してみるのも良いでしょう。

まとめ

ナスダックとはどういうものなのか。また、ナスダックの指数はどのような動きをするのかについて詳しく解説しました。

ナスダックはNYSEに次いで、世界で二番目に大きな規模の証券取引所です。また、IT・ハイテク系のベンチャー企業向け市場ですが、今や世界的な大企業に成長しました。これからも成長が期待され、世界から注目されている銘柄が取引されている市場となっています。

ニュース番組や新聞の経済記事でも頻繁に出てきますし、投資を行う上ではその意味を知っておきたい重要なワードと言えるでしょう。

 

また、ナスダックを構成する銘柄にはITなどハイテク銘柄が多く見られます。もともとは中小型銘柄が中心でしたが、大きく成長した企業が今でもナスダックに残っているため、時価総額が年々拡大している市場です。

中でも世界経済をけん引しているGAFAM(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフト)の銘柄が上場していることは、ナスダック総合指数やナスダック100を大きく成長させてきたとされています。特にナスダック100は上位100銘柄を選出しているため、これらの銘柄が値動きに与える影響は大きくなっているのです。

 

そして、その成長を取り入れられるインデックスファンド等は、将来の資産形成や今ある資産の運用に活用できます。先進国の代表的な株価指数であるMSCIコクサイの上位銘柄にはNASDAQに上場する企業が多数含まれており、MSCIコクサイの成長を押し上げる要因にはNASDAQの銘柄の成長が大きく影響してきたとも言えるでしょう。

 

今後も成長が期待されるGAFAMを中心とした、IT・ハイテク関連株の影響を大きく受けるナスダック総合指数やナスダック100。投資を行うのであれば、その値動きは注目しておきたいものです。

監修者プロフィール:

小川 洋平(オガワ ヨウヘイ)

日本FP協会認定 CFP🄬、合同会社clientsbenefit 代表、FP相談ねっと認定FP、SG中越代表

<プロフィール>

25歳でお金の知識・営業経験ゼロから保険営業の世界に飛び込み6年半従事。2年目に将来の資産形成のため金融知識が必要なことに気が付き、FPの勉強を始めて金融・経済の知識を学ぶ。その後、保険に限らずあらゆるお金の面でクライアントにとってベストな提案をしたいという想いで、商品販売ではなく相談業務を開始。2013年より資産形成の考え方に関するセミナーを自主開催。その他、大手金融機関からの委託により実施。現在は小規模事業者の年金や資産運用のサポートを中心に相談・経営支援の業務に携わり、確定拠出年金など起業家の将来の資産形成と経営のサポートを行っている。投資信託や資産形成の分野を得意としている。