キャピタルゲインとインカムゲインってなに?

2021年8月13日

 

投資の主な利益は、キャピタルゲインとインカムゲインの2つです。ここではキャピタルゲインとインカムゲインについてご説明します。

キャピタルゲインとは?

キャピタルゲインとは、値上がり益のこと。株式や投資信託などの保有資産を売却した際の売却益を指します。株式や投資信託以外にも、不動産やゴルフ会員権など価格が変動するものにはキャピタルゲインが発生しますので、金融商品以外からでもキャピタルゲインを得ることが可能です。反対に、値下がりによって売却損が出た場合をキャピタルロスと呼びます。

キャピタルゲインの特徴

キャピタルゲインにはさまざまな特徴がありますが、ここでは主な2つの特徴について見ていきましょう。

 

大きな利益を出せる可能性がある

キャピタルゲインは購入時の値段が安ければ安いほど、また、売却時の値段が高ければ高いほど大きな利益を出せます。例えば株式投資の場合、株価が10倍以上になるテンバガーと呼ばれる銘柄があり、このような銘柄に投資できれば大きな利益を出すことができるでしょう。

もちろん、このような銘柄に出会うのは簡単ではありません。しかし、後ほど説明するインカムゲインに比べると、大きな利益を狙えるのはキャピタルゲイン最大の特徴です。参考まで、2020年にテンバガーを達成した銘柄の一覧表を以下にまとめました。(東京証券取引所一部、二部、マザーズ、ジャスダックから抽出)

2020年は3月にコロナショックが起こり、株価も暴落しました。その後に大きく上昇したため、テンバガーが出やすかった地合いではありましたが、15の銘柄が株価10倍になっています。ここまで大きく1年間で上昇する銘柄は珍しいですが、大きな利益を狙うのは決して不可能ではないことをご理解いただけるでしょう。

 

短期間で利益を出せる可能性がある

キャピタルゲインは、短期間で大きな利益を出せる可能性があります。先ほどご紹介したテンバガーはもちろん、テンバガーほど上昇しなくても、短期間で大きく株価が上昇する銘柄はあります。そのような銘柄に投資できれば、短期間で大きな利益を出すことが可能です。

 

ただし、あくまで投資の基本は長期分散投資です。短期で大きなキャピタルゲインを狙える可能性はありますが、逆に大きなキャピタルロスを負ってしまうことも考えられます。長期分散投資を基本にしつつ、短期で利益が得られたらラッキーという程度の気持ちで投資するのが良いでしょう。

キャピタルゲインの注意点

キャピタルゲインには注意点もあります。主に4つの点を取り上げ、詳しく解説していきましょう。

 

大きなキャピタルロスを負ってしまう可能性がある

キャピタルゲインは大きな利益になる可能性がある反面、逆に大きなキャピタルロスを負ってしまうことがあります。リーマンショックやコロナショックなどの経済ショックが起きると、株価はすさまじい勢いで下落することをご存じの方は多いでしょう。短期間で大きなキャピタルロスを負ってしまう可能性があるため、投資を行う際は長期間、特に使う予定のない資金で行うことが基本です。

 

長期間塩漬けになってしまう可能性がある

投資してすぐに大きなキャピタルゲインを受け取れることもありますが、逆に長期間株価が低迷して塩漬けになってしまうことも考えられます。キャピタルゲイン狙いの投資でも長期間保有する可能性があることは、キャピタルゲイン狙いの投資の注意点です。

 

投資資産によっては利益に対して最大55%の税金がかかる

投資にとって、切っても切り離せないのが税金です。もちろん、キャピタルゲインにも税金はかかります。投資商品によって税率が異なり、株式投資や投資信託、FXの場合は一律20.315%の税率。例えば100万円の利益が出た場合、203,150円の税金がかかります。

しかし暗号資産(仮想通貨)の場合、他の所得と合算して計算される総合課税に該当し、最大税率は所得税と住民税合わせて55%です。大きな利益を出すと、多額の税金を収める必要がある点には注意してください。

 

資産を売却しなければ利益は確定しない

キャピタルゲインは、株式や投資信託などの資産を売却して初めて利益が確定します。売却しない含み益の状況では、あくまで時価評価として利益が出ているだけの状態です。売却しない限り、利益は確定しないことをしっかり覚えておきましょう。

金融商品でのキャピタルゲインの例

株式投資の売却益や投資信託の売却益、暗号資産(仮想通貨)の売却益、FXの売却益などが、金融商品におけるキャピタルゲインの代表例になります。預金は代表的な金融商品ではありますが、売却益がないためキャピタルゲインはありません。

しかし同じ預金でも、外貨預金にはキャピタルゲインがあります。外貨預金にするときの為替レートと、外貨預金から日本円に戻すときの為替レートの差によって為替差益を得られる可能性があり、この為替差益がキャピタルゲインです。そのほか、先物取引やCFDなど、ほぼすべての金融商品にキャピタルゲインがあります。

インカムゲインとは

インカムゲインとは、資産を保有することで継続的に受け取れる利益のこと。株式の配当金や家賃収入、銀行預金の利息などが代表例です。

 

インカムゲインはキャピタルゲインと違い、継続して入ってくる収益を指します。そのため、インカムロスという概念はありません。株の配当金や家賃収入が入らないことはありますが、マイナスにはならないからです。

インカムゲインの特徴

インカムゲインにはいろんな特徴がありますが、ここでは3つの主なものを取り上げて解説します。

 

定期的・安定的に利益を得られる

インカムゲイン最大のメリットは、定期的かつ安定的に利益を受け取れることです。株式の配当金や家賃収入等は、キャピタルゲインに比べかなり安定的に入ってきます。また、株式投資の場合、業績がよほど悪くならなければ定期的に配当金は入ってきますし、家賃収入の場合は空室にならない限り定期的に家賃が入ってくるでしょう。定期的かつ安定的に収入が得られるので、インカムゲイン狙いの投資は長期で行う投資になります。

 

株式の配当などは確定申告の必要がない

株式の配当金や投資信託の分配金等は、利益に対して20.315%の税金が源泉徴収されて入金となります。そのため、確定申告の必要がありません。しかしキャピタルゲインの場合、特定口座の源泉徴収なしの口座や一般口座を選択していると確定申告が必要です。不動産の家賃収入に関しては確定申告が求められますが、金融商品のインカムゲインについて確定申告が不要である点はメリットと言えるでしょう。

 

投資に時間をとられない

キャピタルゲイン狙いの投資を行う場合、銘柄選定が非常に重要です。また、短期で売買を行うなら、頻繁に銘柄を選ばなければなりませんし、売買のタイミングも判断しなければなりません。一方、インカムゲイン狙いの投資なら一度、株式や投資信託などの金融商品を購入すれば、後は長期間放っておくだけです。投資に時間をとられないことは、インカムゲインの大きなメリットでしょう。

インカムゲインの注意点

インカムゲインにも注意すべき点があります。

 

1回あたりの利益は小さい

インカムゲインはキャピタルゲインに比べ、1回あたりの利益は小さくなります。高配当株でも、年間に受け取れる配当金は5%程度でしょう。

一方、キャピタルゲインの場合はテンバガーに代表されるように、短期間で10倍以上の利益になる可能性もあります。

 

利益を得るためには資産を保有し続ける必要がある

インカムゲインを得るためには、株式や投資信託、不動産などの資産を持ち続ける必要があります。資産を手放してしまうと、それ以降は配当や家賃を受け取れません。資産の流動性がなくなってしまうのは、インカムゲインのデメリットと言えるでしょう。

 

業績や価格が下がっていても配当や分配金を出すケースがある

株の配当や投資信託の分配金は、業績や価格が下がっていても得られるケースがあります。特に注意が必要なのは、投資信託の元本払戻金です。元本払戻金とはその名の通り、自分の元本から分配金を出している状態になります。当然、利益からではなく自分のお金から分配金を出しているので、税金はかかりません。しかし、投資家の中には元本払戻金に気づかない人もいますので注意しましょう。

金融商品でのインカムゲインの例

株式投資の配当金や投資信託の分配金、銀行預金の受取利息、FXの金利差によるスワップポイントなどがインカムゲインの代表例です。キャピタルゲインと異なるのは、銀行預金からもインカムゲインは受け取れることでしょう。

 

また、キャピタルゲインと違い、インカムゲインが出ない金融商品は意外と多く見られます。例えば配当が出ない株式や、分配金が出ない投資信託はたくさんあるのです。インカムゲインの投資を行いたい方は、投資しようとしている資産に配当や分配金があるのかしっかり確認するようにしましょう。

キャピタルゲインとインカムゲインの違い

キャピタルゲインとインカムゲインには、利益が見込める大きさや期間・リスクに差があります。キャピタルゲインは短期間で大きな利益を狙える一方、リスクも大きい点が特徴です。一方、インカムゲインは短期的な利益こそ小さいものの、その分だけ長期投資によってリスクは小さくなりますし、配当や分配金を積み重ねられます。こうした違いをよく理解したうえで、ご自身の投資額や投資期間に適した投資方法を見つけることが大切です。

まとめ

投資の主な利益である、キャピタルゲインとインカムゲインについてご説明しました。キャピタルゲインは比較的短期間で大きな利益を狙える可能性がありますが、その分だけリスクは大きくなります。逆に、インカムゲインは1回あたりに受け取れる利益が小さいので、長期間株式や投資信託などを保有しなければなりません。しかしその分、リスクが低減されて定期的かつ安定的な収益を見込めます。

 

キャピタルゲインとインカムゲイン狙いの投資にはこうした違いがあり、どちらが優れていると言うことではありません。ご自身の投資スタンスに合った投資手法を選ぶことがとても重要ですので、ここで解説した内容を参考に検討してみてください。

監修者プロフィール:

渡辺 智(ワタナベ サトシ)

FP1級、証券アナリスト。

<プロフィール>

大学商学部卒業後は某メガバンクに11年勤務し、リテール営業やプライベートバンカー業務、資産運用コンサルティング(投資信託、保険、債券、外貨預金など)、融資関係業務(アパートローン、中小企業融資)などを経験。銀行在籍中、2度の最優秀営業賞を受賞。銀行在籍時の金融商品販売額は500億円を超え、3000人を超える顧客に金融商品営業を行う。その後、外資系保険会社でコンサルティング営業として従事し、現在は業務経験・知識を活かして金融ライターとして独立。難しい金融をわかりやすく伝えことをモットーに活動中。