投資は副業になるの?

投資は副業にあたるのかどうか、気になる人は多いでしょう。本記事では、投資が副業にあたらない理由についてご説明します。

投資は副業になるの?

投資は副業になる?

一般的に投資は資産運用であり、多くの場合は副業にあたりません。資産を増やす目的で、今持っている資産を投じる活動と見なされます。ただし、会社によっては社内規程で、株式投資を禁止している会社もあるようです。銀行や監査法人などは、株式投資を禁止しているケースが少なくありません。

また、社内規程で禁止されていないからといって、インサイダー情報を用いて株を売買すると罪に問われます。このような行為は絶対にやめましょう。

投資によって確定申告が必要になるケース

投資によって確定申告が必要になるケース

投資信託や株式投資の場合、特定口座(源泉徴収あり)を利用していれば確定申告の必要はありません。ただし、仮想通貨やFXは特定口座が利用できませんので、利益が出れば確定申告が求められます。

なお、20万円以下の利益については所得税の申告が不要です。ただし、住民税の申告は必要ですので注意してください。また、投資信託や株式投資の場合でも、特定口座(源泉徴収なし)や一般口座を利用していれば確定申告が必要になります。

投資を副業で行うメリット

投資を副業で行うメリット

本業とは別に投資を行うメリットについて、ここで4つ取り上げてご説明します。

本業以外の収入が得られる可能性がある

投資が上手くいけば、本業以外の収入源を得ることができます。終身雇用が崩れ、年功序列の賃金体系が崩れかけている今、本業以外の収入源を持っておくことは非常に大切です。

副業は、本業以外の収入源を持つ一般的な方法です。ただし、会社によっては規程で禁止されていることもあります。その点、投資であれば多くの会社で認められているため、多くの方が利用できるでしょう。

投資商品によっては大きく稼げる可能性がある

投資は必ず利益が出るものではありません。しかし、商品によっては多大な利益を稼げる可能性があります。例えば、ビットコインやイーサリアムなど仮想通貨の場合、初期に投資をして何百倍、何千倍と膨れ上がった通貨もあります。

時間をあまりかけずに資産運用ができる

副業でお金を稼ごうと思う場合、一般的にある程度の時間がかかります。出勤せず、インターネット上だけでできる副業も多くありますが、それでもある程度の労働時間が想定されます。投資であればスマートフォン1つで簡単に取引ができます。時間もあまりかけずにできるのは、投資の大きなメリットと言えるでしょう。

NISA制度などを使って節税しながら資産運用することも可能

NISAやiDeCoなど、利益に対して税金がかからない仕組みがあります。また、生命保険やiDeCoは掛け金が所得控除の対象になり、所得税や住民税の節税効果があります。このように、資産運用することによって節税できることは大きなメリットと言えるでしょう。

投資を副業で行うデメリット

投資を副業で行うデメリット

本業とは別に投資を行うことには、デメリットもあります。以下で、主なデメリットを3つご説明しましょう。

自分のタイミングで売買できない可能性がある

副業での投資は、年中ずっと相場を見ているわけにはいきません。例えば、仕事などで忙しい時に、買い時や売り時を逃してしまう可能性は十分にあるでしょう。

元本割れのリスクがある

投資は必ず利益が出るものではありません。商品や相場によっては、元本割れのリスクがあります。長期間保有してもこのリスクは同様ですので、注意しましょう。

商品を選択するのに知識がいる

金融商品にはたくさんの種類があります。日本株だけでも3,800社を超える会社が上場しており(2022年12月26日時点)、仮想通貨やFX、投資信託など金融商品は多様です。商品を選択するにはある程度の知識が求められるので、自分に合った商品を選ぶのは大変かもしれません。

利益を出すまでに時間がかかることがある

相場がどのように動くかは、誰にも正確に予想することはできません。リーマンショックやコロナショックのように、急に相場は大きく下落することもあります。利益を出すまでには、ある程度の時間がかかってしまう可能性があるでしょう。

初心者が副業で投資をする際に注意する点

初心者が副業で投資をする際に注意する点

初心者が本業以外に投資する際に、注意すべき点についてまとめました。

まずは会社の規程を確認

まずは、会社の規程を確認しましょう。ほとんどの会社では投資は禁じられていないはずですが、中には就業規程で禁止している会社もあります。特に銀行などの金融機関の場合、個別株やFXを禁じている場合があるので注意しましょう。

必ず余裕資金で投資する

投資する際は、必ず余裕資金で行いましょう。余裕資金であれば、仮にマイナスになってもプラスになるまで待つことができます。しかし、すぐに使うお金の場合、プラスになりそうな相場でもマイナスで解約せざるを得ない場面が出るかもしれません。

FXのデイトレードは避ける

デイトレードは、数あるトレード手法の中でもっとも有名です。1日で利益を確定させられるので、多くの方にとって魅力的でしょう。ただし、副業でデイトレードを行うのは危険です。なぜなら、本業がそっちのけになってしまう可能性があるからです。

特に、FXはレバレッジをかけられるので、少ない投資資金でも大きな利益や損失が出る可能性があります。大きな損失が出るかもしれないため、より本業に集中できなくなってしまうでしょう。本業に影響を与えるデイトレードは、避けた方が無難でしょう。

株式投資で指値注文を活用する

副業で株式投資する際は、短期で利益を狙うのではなく、自分の希望した価格で売買できる指値注文を活用しましょう。指値注文は成行注文に比べて、なかなか約定しない欠点がありますが、自分の思った通りの価格で取引ができるので、成行注文のように想定外の損失を被ることはないでしょう。副業で確実に利益を積み重ねていきたい場合は、指値注文がおすすめと言えそうです。

インカムゲイン中心の運用

インカムゲインとは配当収入のことです。株式投資の場合、銘柄によって配当を出している銘柄があります。キャピタルゲインに比べると地味ですが、配当収入は安定的に入ってくる特徴があります。特に、副業として投資を行う場合、投資にばかり時間をかけるわけにはいきません。放っておいても入ってくるインカムゲイン中心の運用法が、収入は安定するでしょう。

ただし、インカムゲインはある程度まとまった資金がないと大きな利益になりにくく、また配当は常に確定したものではないため注意が必要です。

自分の中で取引ルールを作る

自分の中で取引ルールを作ることも重要です。特に、本業が忙しい方は本業に差し支えない取引ルールを決めましょう。1日のうちトレードする時間を決めたり、エントリーや決済のタイミングを決めてトレードしたりすれば、利益を出しやすくなります。

投資をしていることが会社に知られたくない場合はどうすればいいの?

投資をしていることが会社に知られたくない場合はどうすればいいの?

投資していることを、会社に知られたくないという方もいるでしょう。投資が会社に知られる原因のひとつに住民税があります。本業の収入だけでは考えられない住民税を請求されることによって、投資が知られるケースは多くあります。しかし、住民税についてはいくつかの対策があります。

株式投資の場合、証券口座を特定口座にすれば確定申告が不要となり、納税対応も証券会社が代行してくれます。また、確定申告をする場合でも住民税の支払いを普通徴収にすることによって、会社に投資をしていることが知られる可能性を低くできます。

住民税の支払いには特別徴収と普通徴収があり、特別徴収は投資の収益を本業の収入とまとめて、給料から会社が徴収する方法になります。一方で、普通徴収は確定申告をした投資の収益は本業の給料とは別に自分で納付できる方法です。普通徴収を選択すれば、会社に投資をしていることを知られるリスクを低くすることができるでしょう。

銀行や監査法人など特殊な会社を除き、会社の就労規則で、投資を禁止されているところは多くはないでしょう。ただし、事前に勤務先の就業規則を確認してから投資を行うようにしましょう。

※徴収方法の変更については、ご自身の市区町村や税務署等にご確認ください。

投資を始めたい!初心者におすすめの3つの投資

投資を始めたい!初心者におすすめの3つの投資

投資には様々な種類がありますが、初心者におすすめの3つの投資をご紹介します。

投資信託

投資信託とは、複数の投資家から集めたお金を資金源として取りまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する金融商品です。商品で生まれた利益は投資家に還元されます。

投資信託のメリットは低リスクの商品も選択できることや少額から投資が可能なことになります。また、投資信託はプロが運用してくれますし、分散投資している投資信託もあります。1つの投資信託で様々な投資対象に分散投資しているのもメリットです。

一方、複数の投資対象に分散されている分、利益が出るまでに時間がかかる場合があります。また、手数料が高い商品もあるので注意しましょう。

株式投資

株式投資は、株式会社の発行する株式を売買することで利益を狙う投資方法です。株式投資のメリットは、大きな金額の利益が狙えることや株主優待・配当金がもらえることでしょう。

一方、情報収集や銘柄選択など難易度が高く、ある程度の資金が必要というデメリットもあります。ただし、最近ではミニ株やLINE証券のいちかぶなど、少ない金額から投資できる仕組みが増えています。

FX

FXは、通貨を売買する時に発生する差額によって利益を得る投資商品です。FXのメリットは、レバレッジを活用して少ない資金で大きな取引ができることや、ほぼ24時間取引可能なことになります。一方、デメリットとして、レバレッジにより大きな損失が出る場合がある点に注意してください。

投資を始める方法

投資を始める方法

投資は、簡単にインターネットで始められます。まずは資金を準備し、証券会社を選定してください。証券会社によって取扱商品や手数料が異なりますので、ご自身に合った証券会社を選びましょう。証券口座の開設を行ったら、購入する株を選びます。そして、実際に株の売買を行うことによって投資が始まるという流れです。

このように、投資は誰でも簡単に始められます。口座の開設から取引までインターネットで完結できる証券会社が多くなったのも、投資のハードルを下げた大きな要因でしょう。

まとめ

投資が副業にあたるのかどうかご説明しました。結論として、投資は副業にはあたらないケースが多いでしょう。ただし、会社によっては投資自体を禁止している場合もあるので、注意してください。

投資を行って本業以外の収入源を得ることは、とても重要なことです。本記事を参考にして、投資を始めてみてはいかがでしょうか。

監修者プロフィール

渡辺 智(ワタナベ サトシ)
FP1級、証券アナリスト。

<プロフィール>
大学商学部卒業後は某メガバンクに11年勤務し、リテール営業やプライベートバンカー業務、資産運用コンサルティング(投資信託、保険、債券、外貨預金など)、融資関係業務(アパートローン、中小企業融資)などを経験。銀行在籍中、2度の最優秀営業賞を受賞。銀行在籍時の金融商品販売額は500億円を超え、3000人を超える顧客に金融商品営業を行う。その後、外資系保険会社でコンサルティング営業として従事し、現在は業務経験・知識を活かして金融ライターとして独立。難しい金融を分かりやすく伝えることをモットーに活動中。