ドル円、イラン情勢と介入に警戒
- ドル円、中東有事のドル買いや高市政権の財政懸念の円売り圧力根強い
- 日米の協調円買い介入の可能性には警戒
- ユーロドル、ユーロ圏の8月製造業・サービス業PMIを見極め
予想レンジ
| 157.50-161.50円 | 1.1400-1.1650ドル |
8月17日週の展望
来週の為替市場は、中東情勢の緊迫化に伴う「有事のドル買い・原油高」と、日米財務省が160円近辺に設定していると思われる防衛ラインでの日米協調円買い介入への警戒感が交錯し、神経質な展開が見込まれる。
イラン情勢に関しては、米国とイランが6月17日に署名した60日間の暫定的な停戦期限が来週に控えており、ホルムズ海峡の再開を巡る交渉が難航していることで、期限切れ後の本格的な戦闘への警戒感が高まっている。また、高市政権の財政政策による財政悪化懸念が円売り材料となっており、関連ヘッドラインには注意しておきたい。
ドル円は、7月31日の日米協調円買い介入を受けて、160円付近が防戦ラインと警戒されているが、ベッセント米財務長官が「我々は、さらなる協調介入への参加を躊躇することはない」と牽制していることもあり、市場では再度の介入警戒感は根強い。
日本国内では、9月17-18日の日銀金融政策決定会合での利上げ観測が高まりつつある中、7月全国消費者物価指数(CPI)(コア指数予想:前年比+1.8%)や第2四半期国内総生産(GDP)速報値(予想:前期比年率+2.0%)などを見極めることになる。金利スワップ市場(OIS)では、9月会合での利上げ観測が高まっている。
米国では、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(7月28-29日分)が公表されるが、9月FOMCでの利上げの可能性を探ることになるだろう。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、米国の7月の雇用統計やCPIを受けて、9月FOMCでの据え置き確率が高まっているが、一方で市場では「27-29日のジャクソンホール会合でのウォーシュFRB議長の講演を待ちたい」との声も多い。また、28日に米労働統計局(BLS)が発表する年次ベンチマーク改定への警戒感も高まっている。
ユーロドルは、欧州中央銀行(ECB)が熱波による景況感悪化を懸念する中、8月のユーロ圏製造業・サービス業PMI速報値を見極めることになる。また、8月のZEW景況感指数や消費者信頼感指数などにも注目しておきたい。ECBは、熱波などの異常気象で、ユーロ圏の域内GDPが2030年までの5年間で最大5%消失する恐れがあるとの分析を公表した。
8月10日週の回顧
ドル円は、ホルムズ海峡再開を巡る協議が難航しているほか、本邦実需の買いなどにつれて159.57円まで上昇。協調介入を受けた下落幅の半値水準まで買い戻された。7月米CPIやPPIが9月米利上げの材料にはならなかったものの、全般円売り圧力は払拭されていない。ユーロドルは、円主導の相場展開の中、1.1512ドルから1.1567ドルのレンジ取引にとどまっている。
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