FXはいくらから始められる?

FXについて、始める前に知っておいてもらいたいこと、為替において重要なことなどを解説します。

FXはいくらから始められる?

FXはいくらから始められる?

FXはいくらから始められる?

FXの取引は、FX会社ごとに決められている最小単位で取引を行うことができます。最小取引単位とは、FX取引をする時に最低限必要な資金のことです。ほとんどの会社では1,000通貨、または1万通貨で設定されています。つまり、米ドルで取引するのであれば1,000通貨は1,000ドルとなり、1ドル=140円(2022年10月頃の水準)と考えると14万円程度、1万通貨となると140万円が必要となります。

1,000通貨単位でも、少し大きな金額にも感じてしまうかもしれません。しかし、FXはレバレッジを用いて取引することができ、最大で25倍のレバレッジを掛けることができるため、約5,600円から取引を始められます。なお、レバレッジとは証拠金(自己資金)を担保に預けることで、自己資金以上の金額を取引できる仕組みのことを言います。

FXトレードでは取引単位を「ロット(Lot)」という単位で表し、FX会社によってロット数は異なりますが、1ロット1万通貨や1,000通貨としていることが多くなっています。1ロット1万通貨でも0.1ロットから始めることもできる場合もあり、最小単位が1,000通貨になっていることもあります。

FXで必要な資金

FXで必要な資金

FXは証拠金を差し入れ、レバレッジを効かせることで証拠金の最大25倍もの取引が可能となる取引です。FXスタート時には、最小取引単位に合わせた証拠金が必要になります。

レバレッジの大きさによって、取引できる金額が異なります。国内のFX会社のレバレッジは「1倍〜25倍まで」と決められており、自分で選び設定することが可能です。レバレッジを掛けない場合の利益に対し、レバレッジを何倍にすると利益がいくらになるかを下記の表にまとめました。

利益表

このように、高いレバレッジを掛けることで利益を増幅することができます。FXにおいては、このレバレッジを活用することがとても重要です。

FXを始める上での注意点

FXを始める上での注意点

余裕資金の範囲内で行う

FXを始める上での注意点として、まずは余裕資金の範囲内で行うことが大切です。仮に失ってしまっても生活に支障をきたさない程度の金額にしておき、初めの頃は少額から始めることが望ましいでしょう。

どの程度でロスカットが発生するかを把握しておく

また、レバレッジを大きく掛けると少額から始めることができますが、レバレッジを掛け過ぎるとわずかな含み損状態でも強制的にポジションを決済されてしまう「ロスカット」の仕組みが働いてしまい、意図しないところで損失が発生するかもしれません。

特に、ロスカットがどのように起きるのかよくわかっていない初心者の頃は、ロスカットが起きない程度の低いレバレッジに抑えておくことが望ましいでしょう。そして、レバレッジを上手に使うにはロスカットの仕組みを理解し、どの程度でロスカットが発生するかを把握しておく必要があります。

損切りを徹底すること

また、損切りを徹底することも重要です。損切りとは、自分が保有しているポジションを決済して、これ以上損失がでないように止めることを意味します。FXでは予想と反対方向に相場が動くことも多々あり、ある一定の程度に達したら、それ以上損失を発生させないよう損切りを検討しましょう。一度ポジションを持つと、人間の心理として簡単に損切りできず、ズルズルと損失を抱えたままになってしまうことがあります。

いつまでも含み損を抱えたままにせず、どこかで決済して新たにエントリーした方が、効率よく資金を動かせて利益を得ることもできます。どのタイミングで損切りするか、自分の中でルールを決めておきましょう。

事前に決めたタイミングで決済すること

そして、相場が急変しても焦らないように心がけましょう。初心者の頃は、相場が大きく動くと焦ってしまいがちです。しかし、どの程度で損失または利益を確定させるか、事前に決めたタイミングで決済できるようにしておきましょう。

スワップポイントを理解しておく

また、FXにはスワップポイントがあり、これについても理解しておく必要があります。FXで得られる利益には、2国間の為替レートの価格差から得られる利益と、2国間の金利差により発生する利益の2種類があります。そしてスワップポイントとは、交換する2国間の金利差から得られる利益のことです。

例えば、低金利通貨の金利が1%で、金利が高い通貨の金利が2%だとしましょう。この場合、1%の金利差が発生し、その分の金利差がスワップポイントとなります。低金利の通貨を売却して金利の高い通貨を購入した場合には、この金利差分のスワップポイントを受け取ることができます。ただし、反対に高金利な通貨を売却して低金利な通貨を購入してしまうと、スワップポイントを支払わなくてはいけません。通貨ペアを選択する際には、こういった点に注意しておきましょう。

FXを始めるためのコツ

FXを始めるためのコツ

目的や手段に沿ったスタイルを決める

FXを始める際には、事前に目的や手段に沿ったスタイルを決めると良いでしょう。FXのトレードの仕方は、個人の性格や生活スタイルによって適したスタイルが違います。例えば、1分・1秒という単位で利益を狙っていくスキャルピングといった短期の取引もあれば、数日や数週間で売買するスイング、数カ月と比較的長期で利益を狙いトレードするポジショントレードといったことも可能です。

FXに充てる時間帯を決める

そして、FXに充てる時間帯も決めておきましょう。日中仕事で忙しい人は夜を取引時間にするなど、ご自分の生活スタイルに合わせて取引する時間を決めてください。FXは約24時間で取引可能ですので、自分の都合の良い時間帯で取引できます。市場には東京市場、ロンドン市場、ニューヨーク市場があり、それぞれ時差があるためトレードが活発に行われる時間帯が異なります。

チャートの見方を勉強する

また、FXを始めるにはマーケットの知識を得たり、チャートの見方を勉強したりすることも必要です。FXでは、特に過去のチャートを分析して将来の値動きを予測する「テクニカル分析」という手法がよく用いられていますので、ここで簡単にご紹介します。

チャートが一定のパターンで動く時、その後どのように動く可能性が高いかを予想することができ、どちらかと言えば短期取引に向いている手法です。チャートには数多くの種類がありますが、「ローソク足」がチャートの基本です。

ローソク足のイメージ

・ローソク足

ローソク足とは、時系列に沿って株価の動きを表すチャートです。ローソク足チャートの「ローソク」は、1日や1週間というように時間を区切った時の「始値(はじめね)」「高値(たかね)」「安値(やすね)」「終値(おわりね)」という四本値(よんほんね)を形で表したものとなっています。

水平線や移動平均線といった方法があり、水平線は価格レートの上げ止まり・下げ止まりが何度か起きた際に、そこを基準として今後の動きを分析する手法です。一方、移動平均線は一定期間の価格(通常は終値)の平均を結んだもので、相場のトレンドを意図目で見ることができます。

・ファンダメンタルズ分析

また、長期の取引に関しては、ファンダメンタルズ分析が重要になります。ファンダメンタルズ分析とは、経済政策の発表や各国の出来事などから相場を予想する分析手法です。専門知識が求められ、さらに経済のニュースや発表を受けて為替が大きく動くことがあるので、これら情報を敏感にキャッチできるようアンテナを張っておくことが大切です。

チャート分析は、トレンドラインの引き方に慣れることで専門知識がなくてもパターンから予想できます。そのため、初心者でもわかりやすい取引と言えるでしょう。初心者が始める場合には、まず馴染みがあって比較的値動きの幅が小さい「米ドル/円」ペアがおすすめです。一方で、新興国の通貨などは変動が激しく、ある程度取引に慣れてからが良いでしょう。

FXの始め方

FXの始め方

FX会社の選定

FXを始めるには、まずFX会社を選定します。この際、少額取引ができること、初心者向けのコンテンツがあること、取引に掛かるコストなどに注目しましょう。

FXにある程度慣れていないと、価格変動がよくわからなかったり、ロスカットのルールやレバレッジを理解できていなかったりすることも多いものです。ある程度の仕組みを理解してトレードしないと、思わぬ大きな損失を招いてしまう可能性もあります。そのため、まずは少額から取引を始めてみて、FXに慣れることが必要です。

また、初心者は取引に慣れるまで、用語の意味や取引方法などの情報を得ながら始めてみると良いでしょう。FX会社から初心者向けコンテンツが提供されていると、初めてのFXでも安心して始められます。

そして、取引コストがいくらかかるかも重要です。FXの取引には、スプレッドという為替手数料のようなコストがかかります。FX会社を選ぶなら、これらの取引コストも考慮する必要があるでしょう。

FX口座への入金から注文までの手順

FX会社を選んで口座を開設したら、次はFX口座への入金から注文へと進みます。FX口座に、元手となる資金を入金しましょう。口座に入金したら、取引する通貨ペアを決めます。初心者なら、まずは比較的値動きが安定している米ドル/円がおすすめです。

そして、選んだ通貨ペアを注文します。その際、「成行(なりゆき)注文」「指値(さしね)注文」「ストップ注文」など注文方法を選びます。これらの用語もよく理解し、ご自分の取引にあったスタイルを行ってください。

FXで失敗しないためには、まず基礎知識を勉強することが大切です。既に解説した通り、チャート分析やファンダメンタルズ分析など相場を分析する方法や、取引方法を学んでおきましょう。その上で、自分に合ったスタイルを見つけて取引します。自分が長期的な取引に向いているのか、それとも短期的な取引に向いているのか、ご自身のライフスタイルや性格から考えてみましょう。実際に取引を始めてみると、どのスタイルが合っているかが少しずつわかってくるでしょう。

まとめ

FXはいくらから始められるのか、始め方について詳しく解説しました。FXは少額でも取引でき、専門知識がなくても始められるため初心者にも人気です。初心者でも失敗しないようにするには、仕組みや取引の仕方をしっかり学び、慣れるまでは少額からレバレッジをあまり掛けずに始めてみることが大切です。そのために、まずは小さな金額から取引できるFX会社を選びましょう。本記事の内容を参考に自分に合った取引の形を見つけ、取引を始めてみてください。

監修者プロフィール

小川 洋平(オガワ ヨウヘイ)
日本FP協会認定 CFP®、合同会社clientsbenefit 代表、FP相談ねっと認定FP、SG中越代表

<プロフィール>
25歳でお金の知識・営業経験ゼロから保険営業の世界に飛び込み6年半従事。2年目に将来の資産形成のため金融知識が必要なことに気が付き、FPの勉強を始めて金融・経済の知識を学ぶ。その後、保険に限らずあらゆるお金の面でクライアントにとってベストな提案をしたいという想いで、商品販売ではなく相談業務を開始。2013年より資産形成の考え方に関するセミナーを自主開催。その他、大手金融機関からの委託により実施。現在は小規模事業者の年金や資産運用のサポートを中心に相談・経営支援の業務に携わり、確定拠出年金など起業家の将来の資産形成と経営のサポートを行っている。投資信託や資産形成の分野を得意としている。