豪ドル、弱い経済指標が重し
- 豪ドル、雇用統計、CPIに続き四半期GDPも低調で上値が重い
- 豪ドル、大手金融機関はインフレ懸念拭えず住宅ローン引き上げ
- ZAR、短期的には堅調もインフレ加速の可能性に警戒
予想レンジ
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6月8日週の展望
豪ドルは上値の重い展開を予想するが、16日に予定されている豪準備銀行(RBA)理事会を前に、市場は神経質な値動きとなりそうだ。
先月下旬に発表された4月雇用統計は市場予想を下回ったほか、消費者物価指数(CPI)の伸びも予想を下回った。さらに、今週3日に発表された1-3月期国内総生産(GDP)も市場予想を下回る結果となった。RBAによる早期利下げ観測は依然として限定的で、高金利政策の長期化が見込まれているものの、一連の経済指標の下振れを受けて追加利上げ観測は後退している。市場では、追加利上げが実施されるとしても8月以降になるとの見方が強まっており、当面は豪ドルの上値を抑える要因となりそうだ。
一方で、タカ派シナリオもなお残されている。大手金融機関の一つは先月末、大手行として初めて固定住宅ローン金利を引き上げており、市場に対して金融引き締め局面が完全には終了していないとのメッセージを送った。今週も原油先物価格が再び上昇する場面がみられたほか、インフレ圧力が今後さらに強まるとの見方もある。仮に直近の経済指標の弱さを受けてRBAが一時的に追加利上げを見送ったとしても、その後の引き締めスタンスが維持されるのであれば、豪ドルへの売り圧力も徐々に和らいでいくだろう。なお、来週は9日に6月のウエストパック消費者信頼感指数、NAB企業信頼感指数および企業景況感指数の発表が予定されている。
南アフリカ・ランド(ZAR)は短期的には底堅い展開が見込まれるものの、今後のインフレ動向次第では中長期的に下押し圧力が強まる可能性もある。
ZARを支えているのは、これまで下落傾向にあった貴金属価格に底打ちの兆しがみられること。また、南ア政府が財政再建に積極的に取り組み、基礎的財政収支が市場予想を上回る3期連続の黒字となっていることで、格付け機関による評価改善への期待がZARの支援材料となっている。
一方で、景気の先行きには懸念も残る。今週発表された企業信頼感指数は低下。今年のインフレ率見通しを3.0%から4.2%へ引き上げた一方、GDP成長率見通しは1.3%から0.5%へ下方修正した。さらに、今週に入って国内のガソリン価格は過去最高水準に達しているが、来月には燃料価格抑制のための軽減税率措置が全面撤廃される予定となっている。インフレ圧力が一段と高まり景気減速が深刻化した場合には、足元のZAR買いトレンドを維持することは難しくなるだろう。なお、来週は9日に1-3月期GDP、11日に同期の経常収支が発表される。
6月1日週の回顧
豪ドルは軟調。GDPが弱い結果となったことで対ドルでは上値が抑えられた。ただ、対円では円安進行が下支えとなり、ほぼ横ばい圏で推移した。一方、ZARは堅調に推移した。南アフリカが最大産出国であるプラチナ価格が底堅さを取り戻したことに加え、円安も支援材料となり、ランド円は一時イラン攻撃前の水準を上回った。
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