ドル、米金利先高観で底堅い
- ドル円、米金融引き締め長期化が支え
- ドル円、160円近辺では介入警戒が上昇ペースを抑制
- ユーロドル、欧米の金利先行き格差から軟調か
予想レンジ
| 157.50-162.00円 | 1.1450-1.1750ドル |
6月1日週の展望
来週のドル円相場は、米国のインフレ高止まりを背景に、ドルが買われやすく底堅い推移となりそうだ。背景には、米連邦準備理事会(FRB)の金融政策に対する見方の変化がある。ウォーシュ新議長のもとで新体制が本格始動するなか、市場では当面の利下げ観測が後退しているだけでなく、年内に1-2回の追加利上げが行われる確率が50%程度まで上昇している。新議長による初の本格的な舵取りを前に、市場では政策スタンスのタカ派化を警戒する見方が根強い。
一方、上値を抑える要因として政府・日銀による為替介入への警戒感が挙げられる。足元の上昇ペースが比較的緩やかなのは、市場が当局の対応を警戒しているためとみられる。ただ、4月30日に実施された介入から約1カ月で当時の下落分をほぼ取り戻す動きとなっていることから、市場では介入の効果は一時的との見方も根強い。構造的なドル高の地合いが強いなかでは、仮に再び介入が実施されて急落する局面があっても、押し目を拾われる可能性が高い。
なお、中東情勢については、米国による新たなイラン攻撃に対してイランが報復措置をとるなど、緊迫化が再燃していたが、「60日間の停戦延長で合意」との報道が伝わるなど中東関連のニュースに振らされる展開となっている。依然としてウラン濃縮問題など両国の溝は深く、「今回の合意は問題を先送りにしたに過ぎない」との冷ややかな声も多い。引き続きヘッドラインに注意する展開となるだろう。
来週の注目の一つとしては、6月3日に予定されている「きさらぎ会」での植田日銀総裁の講演があげられる。市場では日銀が6月の金融政策決定会合で追加利上げに踏み切るとの見方が7割程度に達するなか、今週開催された国際コンファレンスでは利上げについての言及がなかった。来週の講演で具体的な言及や地ならしがあるかどうかが焦点となりそうだ。また、来週はその他にも、週末の5月雇用統計のほか、週前半に発表されるISM製造業・非製造業景気指数など重要な経済指標の発表が相次ぐ。
ユーロドルは、ドル買いが優勢となるなかで軟調な推移が想定される。市場では欧州中央銀行(ECB)の来月会合での利上げをほぼ織り込んでいるものの、7月以降については域内の景気減速への懸念から追加利上げに慎重な見方が増えている。金融引き締めの長期化が意識される米国に対し、欧州は慎重姿勢に転じるとの見方から、欧米の政策格差を意識したユーロ売り・ドル買いが上値を抑えそうだ。
5月25日週の回顧
ドル円は強含み。米イランを巡る地政学リスクの再燃で原油高とともに円売り・ドル買いが進行。一目雲を上抜けて一時159.65円まで上値を伸ばすなど、総じて底堅い動きとなった。
ユーロドルは方向感がない。有事のドル買いが優勢になると一時1.1586ドルまで下落したが、米イラン協議の進展期待から週後半には1.1661ドルまで持ち直した。
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