収入と支出を確認して資産形成を始めよう!

2021年8月24日

ライフプランニングから始める資産形成のはじめ方ということで、これまで以下の2回にわたり基本的な考え方をご説明してきました。

ライフプランニングから始める資産形成初めの一歩

・自分の人生を設計する!ライフデザインのはじめ方

 

今回はさらに進んで、具体的なお金の話、特に家計の収支状況についてご説明します。

①まずは手取り収入を確認しよう!

全体像としては次の図の②のうち、左側の家計簿(収入と支出)という部分になります。

今回は実践編ですので、是非電卓を片手にご覧ください。

会社員の方で年収500万円といった場合、実際の手取り収入、つまり自分で自由に使えるお金がいくらになるかご存知でしょうか。ここでは源泉徴収票から、簡単に調べる方法をご紹介します。

 

最新の源泉徴収票(2020年)、それから給与明細もしくは住民税の決定通知書をご準備ください。まず源泉徴収票を見ていただき、次の図のように「支払金額」「社会保険料等の金額」「源泉徴収税額」という3つの項目の数字を確認してください。

その上で、住民税の決定通知書が手元にあればそこに記載されている年間の住民税額、ない場合には最新の給与明細に記載されている住民税の金額を12倍して、住民税の金額を確認しましょう。

 

これら4つの数字が確認できたら、上の式の通りに引き算をすると、手取り収入を計算することができます。所得水準にもよりますが、一般的には収入に対して7~8割程度が実際に自由に使えるお金となっています。

 

資産形成では、家計として1年間で自由に使えるお金はいくらなのか、具体的な金額を確認することがとても重要です。

②次に年間の支出金額を確認しましょう!

収入の次は支出です。手取り収入金額がわかると、同じ1年間の支出金額は次のような計算で確認することができます。

お給料が振り込まれる銀行口座の前年12月末時点の残高(2019年末)、翌年12月末時点の残高(2020年末)、そしてその銀行口座以外でどこか天引きや積立などをしている場合には、その金額も確認してください。従業員持株会や財形貯蓄など、お給料から自動的に差し引かれて資産形成している金額がある場合には、その金額(上図の預金以外の年間積立額)を確認しましょう。

 

これらが確認できれば、具体的な使いみちはともかく、1年間でいくら使ったかという総額を把握することができるはずです。

③1年間の資産形成額は?

手取り収入と支出がわかると、1年間でいくら貯まったか、という資産形成額がわかります。

しっかり将来の自分のためにお金は貯まっていましたでしょうか?

まずは全体として家計が黒字なのか、赤字なのか、そして具体的にどのくらいなのかを確認することが大切です。

④できる範囲で、支出の内訳も確認しよう!

さらに支出の内訳も可能な範囲で確認していきましょう。支出の整理の仕方はいろいろな分類方法がありますが、ここでは次のような分類をご紹介します。

大きく分けると、上のような6つに分かれます。

 

まず基本生活費ですが、これは食費、水道光熱費、通信費、衣服・美容、趣味・娯楽など生活していく上で毎月必要となる生活費です。これらの内訳を正確に把握するためには家計簿をつけることが必要になりますが、必ずしも細かく把握する必要はありません。

 

次に特別生活費ですが、これは毎月発生するわけではないものの、毎年どこかのタイミングで発生する支出です。夏休みなど長期休暇中の旅行や帰省費用、記念日や誕生日などのイベント費用、固定資産税(持家の場合)や更新料(賃貸の場合)、冠婚葬祭、家電の買い替えなどです。これらは金額が比較的大きく、具体的に確認しやすいと思いますので、1年間でだいたいどのくらいか確認してみましょう。

 

3番目は住居費です。持ち家の場合は住宅ローンや管理費・修繕積立金(マンションの場合)、賃貸の場合は家賃となります。これも具体的な金額が確認できると思います。

 

4番目の保険料も保険証券や口座振替記録などで確認しやすい支出だと思います。

 

5番目はお子様の教育費です。学校の授業料や給食費、習い事、塾などの支出については支払い記録を確認することで把握しやすいのではないでしょうか。

 

最後はその他です。これら5番目までで一般的なご家庭の支出は大体カバーできていると思いますが、含まれていないご家庭独自の支出がある場合には整理してみてください。

 

2~6の項目については比較的把握しやすいと思いますので、次のような形で、基本生活費を逆算してみてください。

これで基本生活費の総額も把握できます。あとは、基本生活費の中でも水道光熱費や通信費など、支払履歴が確認しやすいものは年間の金額を確認しておきましょう。

 

逆に、食費、日用品、交際費など把握しづらいものは無理に把握しなくてもよいと思います。基本生活費の内訳は分かる範囲で十分です。

⑤家計の収支が把握できたら、見直す必要があるか考えましょう!

これで手取り収入と支出の金額および大まかな支出の内訳が確認できたかと思います。

 

これまで具体的な収支状況を確認してこなかったという方もいらっしゃると思いますので、現在の収支状況で問題なさそうか、また変更すべきということであれば、どのあたりを変更すべきか、ぜひ考えてみていただければと思います。

 

 

最後に

 

最近は便利な家計簿アプリなどもあり、手軽に家計簿をつけられるようになっています。しかし、実際に家計としての手取り収入と支出を把握できているご家庭はまだ少数派なのではないかと思います。

 

今回ご紹介した方法は、日頃から家計簿をつけていなかったとしても、源泉徴収票や銀行通帳などさえあれば遡って確認することができる方法です。細かい内訳までは難しいですが、まずは大まかな項目だけでもご確認の上、お金の使い方について一度立ち止まって確認していただければと思います。

著者プロフィール

横田健一

ファイナンシャルプランナー。株式会社ウェルスペント 代表取締役

大手証券会社にてデリバティブ商品の開発やトレーディング、フィンテックの企画・調査などを経験後、2018年1月に独立。「フツーの人にフツーの資産形成を!」というコンセプトで情報サイト「資産形成ハンドブック」を運営。家計相談やライフプラン・シミュレーションの提供を行い、個人の資産形成をサポートしている。

 

資産形成ハンドブック:https://shisankeisei.jp/

YouTubeチャンネル 資産形成ハンドブック :

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イラスト@mofusand