これだけある!会社員が iDeCoを利用した時の節税メリット

今回は会社員の方がiDeCoに加入された時の節税メリットを中心にご説明させていただきます。

これだけある!会社員が iDeCoを利用した時の節税メリット

個人型確定拠出年金(iDeCo、イデコ)はおトクな制度らしい、という話を耳にされたことはありますでしょうか?今回は会社員の方がiDeCoに加入された時の節税メリットを中心にご説明させていただきます。

お給料から引かれる税金はどのように計算するの?

iDeCoの節税メリットの前に、お給料やボーナスから差し引かれる税金(所得税および住民税)がどのように計算されるか、基本的な考え方をご説明させていただきます。

会社員の方はお給料やボーナスを受け取りますがその年間の総額を給与収入といい、税額を計算するためには、そこから給与所得控除と呼ばれる、会社員に許されたみなし経費のようなものを差し引きます。みなし経費という言葉を使いましたが、実際にお金が出ていくわけではなく、あくまで税金を計算する上で差し引いてよいという決まりになっているものです。

その上で、さらに所得控除と呼ばれる、社会保険料や生命保険料など実際に支払った金額をもとに決められる金額、そして家族の状況に応じて実際にはお金が出ていかない計算上の金額を差し引いていきます。図にすると次のようになります。

お給料から引かれる税金はどのように計算するの?

給与収入から、給与所得控除と所得控除を差し引くと課税所得になり、この数字に税率を掛けて実際に支払う税金を計算します。所得税は所得金額に応じて税率が変わり5%から45%、住民税は基本的に10%となっています。

つまり、税金を減らすためには、収入を減らすことなく課税所得を減らすことができるとよいわけです。

iDeCoの仕組み

一般的に、iDeCoに加入すると、毎月掛金を積み立てていき、その掛金を投資信託などで運用していきます。原則として60歳以降になったら、一時金もしくは年金という形で受け取ることになります。

iDeCoの仕組み

 ここから、iDeCoの節税メリットをご説明します。

①積立期間中

積み立てていく掛金は全額が所得控除になるため、上でご説明したように税金が安くなります。一般的な会社員の方であれば、月額23,000円、年額にすると27.6万円を積み立てることができますので、最大で毎年27.6万円×(所得税率+住民税率)だけ税金が安くなります。

②運用期間中

積み立てるお金は投資信託、預金、保険といった商品で運用していくのですが、運用期間中に得られた儲け(リターン)に対しては課税されません。一般的な口座(特定口座)などで運用した場合には、20.315%の税金がかかりますから、その分iDeCo口座のほうがおトクになるというわけです。

③受け取り時

iDeCoで運用したお金は60歳以降に受け取ることができ、完全に税金がかからないというわけではないのですが、この時も税制上の優遇措置があります。受け取る方法は一時金か年金といういずれかのタイプ、もしくはその組み合わせになります。

一時金というのは退職金のように、それまで運用してきた金額をまとめて一括で受け取る方法です。この場合は、退職所得というものになり、税制上も有利になります。ただし、会社員の方の場合、iDeCo以外にお勤め先から退職金を受け取る方もいらっしゃると思いますので、その退職金とiDeCoの一時金を受け取るタイミングが近い場合には、税制上の優遇効果が薄れてしまう可能性もあることには注意が必要です。

一方、年金形式で受け取る場合には、あらかじめ5~20年といった期間を定めて、一定金額ずつ受け取っていきます(厳密には、受け取りながら運用も継続できるため、受け取る金額は毎回変動します)。この場合は、公的年金などと同じ税制が適用され、公的年金等控除と呼ばれる一定金額までは非課税で受け取ることができます。

節税金額の具体例

ここで、年収500万円の30歳会社員の方がiDeCoに加入して毎月2.3万円、年間で27.6万円を積みた立てた場合にいくら税金が安くなるか確認してみます。ここでは年収が60歳まで変わらないとしておきます。

節税金額の具体例

①積立期間中

この方の所得税率を10%、住民税率を10%とすると、拠出時の節税メリットは、27.6万円×(10%+10%)×30年間=165.6万円となり、iDeCoを始めることによって30年間で165.6万円税金を払わなくて済むわけです。

②運用期間中

そして、運用時は運用益が非課税になるわけですが、利回り0%なら30年後の金額は828万円に、利回り1%なら約965万円に、といった形で利回り4%まで計算すると次の表のようになります。

節税金額の具体例

①受け取り時 

最後に受け取る時の税金です。これらの金額をすべて60歳の時に一時金で受け取る場合の税金を確認してみます。退職所得は、

退職所得の金額=(収入金額 ― 退職所得控除額)×1/2

として計算されるのですが、収入金額は上記の60歳時点で受け取る金額、退職所得控除額は30年間積み立てた場合1,500万円となります(積立期間に応じて計算されます)。

節税金額の具体例

利回り3%までであれば収入金額よりも退職所得控除額の方が大きくなりますので退職所得はゼロ、つまり非課税で受け取ることができます。

一方、利回り4%の場合だと、

退職所得=(1596万円 ― 1500万円)×1/2=48万円

となりますので、所得税率は5%、住民税率は10%で計算すると、1,596万円受け取る際に支払う税金は7.2万円になります。

これまでの計算では、iDeCo加入に伴って必要となる各種手数料や一時金として受け取る際に会社から受け取る退職金を考慮せずに計算していますので、実際には人によってメリットの大きさが変わってくる可能性はありますが、iDeCoによる節税メリットがどのようなものか、基本的な内容はご理解頂けたのではないかと思います。

老後に向けて、利用を検討してみてはいかがでしょうか


著者プロフィール

横田健一

ファイナンシャルプランナー。株式会社ウェルスペント 代表取締役
大手証券会社にてデリバティブ商品の開発やトレーディング、フィンテックの企画・調査などを経験後、2018年1月に独立。「フツーの人にフツーの資産形成を!」というコンセプトで情報サイト「資産形成ハンドブック」を運営。家計相談やライフプラン・シミュレーションの提供を行い、個人の資産形成をサポートしている。

資産形成ハンドブック:https://shisankeisei.jp/
YouTubeチャンネル 資産形成ハンドブック :
https://www.youtube.com/channel/UCLAKtSh8TLpEA19PyD2cuOA

イラスト@mofusand

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