CFDってなに?

2021年9月17日

 

投資商品には株式投資やFXなどさまざまな種類があります。ここでは多様な投資対象に投資できるCFDについて解説します。

CFDとは

CFDとは差金決済取引のこと

CFDとは「Contract For Difference」の略で、日本では「差金決済取引」のことを表します。簡単に言うと、「差額だけをやり取りする」取引のこと。利益が出たら利益分のみ受け取り、損失が出たら損失分のみを支払う形で取引を行います。現物の売買は発生しません。

日本人に人気の高いFX(外国為替証拠金取引)もCFDの1つなので、こちらを思い浮かべていただくとわかりやすいかもしれません。

 

CFDの仕組み

現物取引の場合、株価100万円の株を1株購入するには、当然ですが100万円の資金が必要です。そして100万円の株を購入して110万円になった際に決済をすれば、110万円が入金されます。こちらが差金決済取引を用いない一般的な投資です。

 

この取引をCFDで行った場合、現物の株式のやり取りをするのではなく、売買の差額のみCFDを提供している証券会社と行います。つまり、購入金額の100万円と売却金額110万円の差額の10万円のみを、投資家とCFDを提供している証券会社で行うのです。現物の株を買うわけではないため、一定のお金を担保として証券会社に預ければ、大きな金額を取引できるのがCFDの仕組みになります。

 

また、CFDはレバレッジをかけることができます。レバレッジとは、てこの原理に由来する言葉で、そもそもの意味は、小さな力で大きなものを動かすことができる仕組みを指します。これを投資の世界に置き換えると、元手が少なくても大きな投資効果を得ることができることを言い、これをレバレッジ効果と呼びます

 

CFDの対象商品

CFDはさまざまな商品に投資できます。株式や為替はもちろんですが、投資しにくい原油やゴールドなど、コモディティと呼ばれるものにも投資が可能です。

 

代表的なCFDの商品には、株価指数CFD、商品CFD、外国株CFDなどがあり、対象商品によってレバレッジの最大倍率(5~50倍)が変わります。

 

・株価指数CFD

一定の銘柄の株価を数値化したものを原資産の価格とし、取引をすること。景気が良くなれば価格は上昇し、景気が悪くなれば価格は下落するという市場の特徴があります。

 

・商品CFD

商品現物、商品先物を原資産とする商品です。金や銀、原油などの商品先物で取引するCFDです。商品は一般的に値動きが激しいので、ハイリスク・ハイリターンの商品であると言えます。

 

・外国株CFD

日本の証券会社で取引できない外国の銘柄が多くあり、1つの口座で各国の銘柄を管理することができるメリットがあります。米国株だけでなく中国株やヨーロッパ株に投資できる外国株CFDを提供している証券会社もあります。

CFDのメリット

CFDのメリットについて、主なものを5つ取り上げて解説します。

 

レバレッジをかけて手元資金に対して大きな資金で取引できる

CFDはレバレッジをかけられるので、手元資金に対して大きな資金で取引できます。

 

レバレッジを使った代表的な投資は、株式取引の信用取引です。信用取引は、保証金を証券会社に預けることによって、一般的に保証金の3倍程度の取引ができます。

 

例えば、現物取引で100万円の投資をして20万円の利益が出た場合、信用取引を利用すると約3倍の60万円の利益になります。

 

もちろん損失も現物取引に比べると3倍になりますので注意が必要ですが、レバレッジをうまく活用すれば投資資金が少なくても大きな利益が狙えるのです

 

このようにレバレッジがあることによって、手元資金が少なくても大きな利益が狙えます。CFDではレバレッジが使える点は、大きなメリットと言えるでしょう。

 

売り注文から始められる

CFDは「売り注文」から始められます。売り注文から始めるというのは、株価が下落したり為替が円高になったりしたときでも、利益が出せる取引になるということです。株式投資の空売りやFXの「売り注文」など、「売り注文」から取引できる金融商品はありますが、決して数は多くありません。

 

株価が下落するスピードや為替が円高になるスピードは、リーマンショックやコロナショックで経験された方も多いでしょう。相場がパニック状態になると、急激に株価が下落したり円高になったりする傾向にあります。そのため、「売り注文」から取引することによって大きな利益が狙える可能性があるのです。「買い注文」だけでなく「売り注文」から取引できるのは、CFDの大きなメリットと言えるでしょう。

 

配当金を受け取ることができる

CFDでは「買い注文」のポジションを保有していると、状況によって配当金相当額が受け取れます。また、レバレッジをかけて取引した場合、レバレッジ分も配当がもらえるのが一般的です。個別株のように配当を受け取れるのは、CFDの大きなメリットでしょう。しかし「売り注文」の場合は、逆に配当金相当額を支払わなければなりませんので注意してください。

 

世界各国の株価指数に投資が可能

多くの方は「株」と聞くと、日本やアメリカの株式を思い浮かべるのではないでしょうか。しかし、株式投資は日本やアメリカだけで行われているものではなく、世界各国で行われています。

 

日本やアメリカ以外の株式に投資するのは、通常なら簡単ではありません。しかしCFDを利用すると、世界各国の株価指数に投資が可能です。例えば日経平均株価やNYダウ・S&P500はもちろんのこと、ドイツやフランスなどヨーロッパの株価指数、あるいは中国・香港などのアジアの株価指数にも投資できます。

 

また、為替についても米ドルやユーロだけでなく、香港ドルやデンマーククローネなどへの投資が可能です。このようにCFDは、一般的な投資商品ではなかなか投資できないさまざまな投資商品に投資できるのが魅力です。

 

銘柄によっては24時間取引可能

CFDは営業日であれば、銘柄によってはほぼ24時間取引できます。日本株の場合、取引できる時間は営業日の9:00~15:00までです。しかも11:30~12:30までは休憩で取引できませんので、実質取引できる時間はわずか5時間に過ぎません。

これでは、仕事中のビジネスマンや子育てで忙しい主婦の方など、ピンポイントで時間が取れない人たちにとっては取引しづらいものです。

 

一方、CFDは営業日であれば世界中でどこかの市場が開いているので、ほぼ24時間取引が可能です。ただし、銘柄によっては取引時間が短いものもあるので注意してください。また、土日や市場がお休みのときは取引できませんので、取引時間についてはあらかじめ確認するようにしましょう。

CFDのデメリット

CFDには、主に3つのデメリットがあります。投資を検討している方は、あらかじめ頭に入れておきましょう。

 

レバレッジをかけるためリスクも大きい

レバレッジが使えるのは、CFDのメリットの1つです。レバレッジがあるので、少額資金でも大きな利益を狙えます。しかし大きな利益を狙えるということは、逆に大きな損失を負ってしまう可能性があるとも言えるのです。

 

日経平均株価に連動したCFDで取引した場合を例にして説明します。日経平均株価が3万円のときに、手元資金100万円で「買い」のポジションを保有したとします。そして翌日、日経平均株価が3万500円になったときに利益確定するとしましょう。3万円から3万500円に上昇したということは、パーセントにすると約1.016%上昇したというとです。レバレッジをかけていない場合の利益は100万円×1,016%で10,160円の利益になり、レバレッジを10倍かけていた場合は、101,600円の利益になります。

 

このように予想通りの方向に株価が動いてくれれば、レバレッジをかけた方が大きな利益が出ます。しかし大きな利益が出るということは、予想と逆の方向に為替が動いた場合に大きな損失が出るということ。先程のケースで、もし日経平均株価が29,500円に動いたなら、レバレッジをかけていない場合の損失は約17,000円で収まります。

しかしレバレッジ10倍の場合の損失は、約17万円になってしまうわけです。このように、レバレッジはデメリットにもなりますので、しっかりとした知識のもと使うことがとても大切です。

 

追証が発生する可能性がある

レバレッジをかけて取引すると、追証(おいしょう)が発生する可能性があります。追証とは「追加証拠金」のことで、損失が出た場合、お金を追加して入れなければ取引が強制終了になってしまうものです。

相場が急激に動くと多額の追証が発生してしまい、追証を払えないと多額の損失が確定しまう可能性があります。追証が発生してしまう可能性があるのは、CFDの大きなデメリットでしょう。

 

株式との損益通算ができない

CFDには、株式投資や投資信託で利用できる特定口座はありません。特定口座がないので、ご自身で確定申告する必要があります。CFDの所得は雑所得に分類され、申告分離課税で税率は一律20.315%(所得税+住民税)になります。

 

また、CFDで損失が出た場合、損益通算することができますが、株式投資や投資信託の損益と通算することはできません。CFDで損益通算できるのは、FXや先物取引等になります。メジャーな投資商品である株式投資や投資信託の損益と通算できないのは、CFDのデメリットと言えるでしょう。

まとめ

ここでは、さまざまな商品に投資できるCFDについてご説明しました。CFDは、日本やアメリカ以外の世界各国の株式やマイナー通貨にも投資できます。また、株式や為替だけでなく、原油やゴールドなどの商品にも投資可能です。しかも営業日であれば、ほぼ24時間取引できます。手数料も無料で取引できる証券会社がありますので、多くのメリットがある金融商品と言えるでしょう。

 

ただしレバレッジにより万が一のリスクが大きいことや、追証が発生する点などについてはデメリットとして理解しておいてください。また、特定口座がないため、ご自身で確定申告しなければいけません。

 

CFDについて、まだ日本ではマイナーな金融商品です。しかし、とても使い勝手の良いものであることがおわかりいただけたことでしょう。ここで取り上げた内容を参考にメリットやデメリット、仕組みを理解したうえで、ご興味のある方はCFD取引を始めてみてはいかがでしょうか。

監修者プロフィール:

渡辺 智(ワタナベ サトシ)

FP1級、証券アナリスト。

<プロフィール>

大学商学部卒業後は某メガバンクに11年勤務し、リテール営業やプライベートバンカー業務、資産運用コンサルティング(投資信託、保険、債券、外貨預金など)、融資関係業務(アパートローン、中小企業融資)などを経験。銀行在籍中、2度の最優秀営業賞を受賞。銀行在籍時の金融商品販売額は500億円を超え、3000人を超える顧客に金融商品営業を行う。その後、外資系保険会社でコンサルティング営業として従事し、現在は業務経験・知識を活かして金融ライターとして独立。難しい金融をわかりやすく伝えことをモットーに活動中。