レバレッジとは?

2021年7月14日

 

投資でレバレッジを活用すると大きなリターンが狙えます。しかしデメリットもあるため、仕組みや注意点をしっかり理解しましょう。

レバレッジとは

レバレッジは日本語に直訳すると「てこ」のことを表します。株式の信用取引の保証金、FXの証拠金を差し入れ、保証金や証拠金を担保に証券会社やFX業者から資金を借り入れ、差し入れた保証金の金額よりも何倍もの大きな取引を行うことができる効果のことです。“てこの原理”については、ご存じの方が多いかもしれません。てこを使うことで自分の力が何倍も増幅され、重たいものを持ち上げることができます。金融商品の取引においては、少ない手元資金でも何倍もの大きな取引を行うことが可能になり、てこの原理のような効果を得ることができるためレバレッジと呼ばれているのです。

 

レバレッジを活用することで投資の資金効率を高め、大きなリターンを狙っていくことができます。しかしその反面、その損失が大きくなったり、FXの仕組み上のデメリットがあったりする点には注意してください。

レバレッジという言葉はFXに限らず、金融商品の取引においてよく耳にするはず。そのため、投資を行うなら十分に理解しておきましょう。ここではレバレッジについて、メリットやデメリット、関連用語などを交えながら詳しく解説します。

FXにおけるレバレッジのメリット

FXにおけるレバレッジのメリットは、少ない手元資金で大きな利益が出せることです。証拠金をFX業者に差し入れ、個人の場合は証拠金の25倍までの取引が可能です。つまり、例えば手元の資金が4万円であっても、最大で25倍となる100万円分の取引をすることができるということ。100万円の取引で得られる利益を、手元の資金4万円でも得ることができます。その結果、為替の変動がわずかなものであってもレバレッジでその変動を何倍にもできるので、元手の資金から得られるはずのリターンより大きなリターンを得ることが可能なのです。

 

その反面、損失が発生するとその金額も大きくなり、手元の資金以上の損失が発生する可能性もありますので注意しましょう。また、株式投資で信用取引を行う場合は証券会社に利息を払って資金を借りますが、FXの場合は取り扱う金額に関わらず扱う通貨に金利はかかりません。ただし、FXはスワップポイントという金利の受け渡しが発生します。

スワップとは交換する2国間の金利差のことで、その金利差から得られる利益をスワップポイントと言います。FXで得られる利益は、2国間の通貨を交換した際の損益だけではありません。2国間の金利差により発生するスワップポイントも受け取ることが可能です。例えば、超低金利通貨の日本円の金利が0.1%で、米ドルの金利が1%だとしましょう。この場合は0.9%の金利差が発生し、その分の金利差がスワップポイントとなるのです。低金利の通貨を売却して金利の高い通貨を購入した場合には、この金利差分のスワップポイントを受け取ることができます。 反対に高金利の通貨を売却して低金利の通貨を購入する場合には、スワップポイントの支払いが必要です。

レバレッジのデメリット

レバレッジによって、手元の資金以上の大きな取引を行うことが可能です。ただし利益が大きい分、損失が発生した場合の金額も当然ながら大きなものになります。レバレッジを最大限まで効かせることで手元の資金で得られるはずの25倍の利益を得ることができる反面、損失も25倍になるのです。そのため、仮にレバレッジを掛けずに手持ちの資金のみで投資して1,000円の損失だったとしても、レバレッジを掛けていた場合には25倍の2万5,000円になる可能性もあります。

レバレッジを掛けなければ、損失は自分の資金が減るだけで済みます。一方、高いレバレッジを効かせることで相場が大きく動いた場合等は、自分の手持ち資金以上の損失が発生する場合もあるのです。

ロスカットに注意

FXで一定以上の損失が出るのを防ぐため、損失が一定以下になった場合には自動で全てのポジションをその時点で決済される仕組みがあります。これをロスカットと言い、損切という意味を持つ用語です。

 

ロスカットが行われることで、損失をある程度抑えることができます。ただしそこで損切りせず、相場が回復するまで保有していれば利益が得られる可能性もあるでしょう。その場合においても、得られたはずの利益を得られなくなることがあります。例えば含み損が出ている状態で、為替相場の回復を待ちたいという場合もあるでしょう。相場が回復して利益を得られそうな場合でも、自動的にロスカットが行われるためにそこで売却しなければならなくなり、損失が発生してしまうというデメリットがあるわけです。

 

また、値動きが大きい場合にはロスカットが行われても、証拠金以上の損失が出ることがあります。高いレバレッジを掛ければ得られるリターンも大きくなりますが、含み損が小さくてもロスカットが行われやすくなりますので注意が必要です。

レバレッジの用語集

証拠金

取引を行うために、あらかじめ取引業者へ担保として預け入れる資金。保証金や担保金と呼ぶこともあります。FXは外国為替証拠金取引の名前の通り、証拠金を入れて証拠金の何倍もの価格の通貨の取引を行うことが可能です。

最大で証拠金の25倍の取引を行うことができ、この効果をレバレッジ効果と呼びます。FXは証拠金をもとにこのレバレッジ効果を利用し、為替差益を何倍にも大きくすることで利益を狙うのです。

大きな証拠金で高いレバレッジを掛ければ、さらなる大きな利益を狙うことができます。ただし、損失も大きくなりやすいため注意しましょう。例えば手元の資金が40万円でも、25倍のレバレッジで取引すれば1,000万円の取引ができるということになります。そして、利益も損失も1,000万円の取引に対して発生することになるのです。手持ち資金とレバレッジの意味を理解しないと、予想以上の大きな損失が出てしまうことがあるでしょう。

 

必要証拠金

レバレッジ(個人口座の場合)を効かせたポジションを維持するために、担保として最低限必要となる資金のことを言います。例えば、LINE FXでは、1,000通貨単位での取引が最低でも必要になります。1ドル=100円だとしたら、100円×1,000ドル=最低10万円が必要ということ。しかし、レバレッジを掛けることで最大で25倍の取引を行うことができますので、手元に4,000円あれば10万円の取引を行うことができるわけです。このように、10万円の取引を行う場合であれば必要証拠金は4,000円となります。

 

高いレバレッジを掛けることで、手元の資金以上の大きな取引を行うことが可能です。ただし、損失が発生した場合にはその分だけ損失も大きくなり、ロスカットが行われやすくなる点に注意しましょう。例えば1ドル=100円から99円になった場合、仮に元手の資金が4万円ならレバレッジを掛けずに取引した場合の損失は400円です。しかし、レバレッジを最大の25倍まで掛けることで1万円の損失になってしまいます。

1ドル=1円の値動きでもこれだけの大きな影響が出ることがあり、仮に1ドル=96円になった場合には4円の値動きで25倍ですので損失は4万円。その結果、証拠金が0になるということになります。少ない資金で高いリターンを得ることができる反面、このようなデメリットもありますので注意が必要です。

 

証拠金維持率

証拠金不足になる危険性がどれだけ高まっているのかを示すバロメーターのことを、証拠金維持率と言います。ロスカットが行われる水準を決めるために重要な指標で、証拠金維持率の計算式は以下の通りです。

 

【計算式】証拠金維持率(%)=純資産(その時点で全ての取引を終了した場合の資産)÷必要証拠金×100

 

純資産とは資産と負債の差額のこと。5,000円の証拠金で10万円の取引を行い、損失が1,000円出ている場合であれば4,000円が純資産ということになります。

 

仮に1ドル=100円のタイミングで1,000ドルを購入するためにレバレッジを最大の25倍掛け、1,000ドルの取引のため4,000円を証拠金として差し入れたとしましょう。この場合、為替が変動しなければ純資産が4,000円となり、純資産4,000円÷必要証拠金4,000

円×100%で証拠金維持率は100%となります。しかし1ドル=101円になった場合は通貨単位が1,000ドルなので、利益は1,000円で純資産は5,000円となります。その場合、証拠金維持率は以下の通りです。

 

純資産5,000円÷必要証拠金4,000円×100%=125%

 

反対に99円になった場合には損失は1円になり、純資産が3,000円となって証拠金維持率は次のようになります。

 

純資産3,000円÷必要証拠金4,000円×100%=75%

 

このように為替の変動によって証拠金維持率が変動し、損失が発生し一定の水準以下になったらロスカットが発生します。

 

ロスカット

証拠金維持率が一定水準を下回り、証拠金不足が発生した際、自動決済を行い損失の額を抑えることをロスカットと言います。ここではロスカット水準を100%として説明します。レバレッジを25倍にした場合には必要証拠金と純資産が同額になり、少しでも損失が発生したら証拠金維持率が100%を下回るためにロスカットが発生します。この場合、為替の相場の変動を待ち利益が出るのを待つことができず、損失が確定してしまうのです。

 

先ほどの例のように、米ドル/円通貨ペアの場合、仮にレバレッジを20倍で10万円の取引を行う場合には、5,000円を証拠金にする必要があります。この場合、どの程度の損失でロスカットが発生するのかを見てみましょう。最低証拠金が4,000円ですので、証拠金が5,000円に対し1,000円より大きな損失が発生した場合にロスカットが行われます。そのため、為替が1ドル=100円から99円より円高になった場合にロスカットが行われ、25倍のときと比べロスカットされるまでの損失の許容範囲が広くなるのです。

 

このように、レバレッジ効果が大きければ大きいほどロスカットが行われやすく、損失の許容範囲が限定されます。自動的にロスカットが行われれば損失を限定できるというメリットがある反面、為替相場の変動を待つことができないという点はデメリットでしょう。高いレバレッジを掛けるには、このような注意点があることを理解しておいてください。また、どの程度の損失になったらロスカットが行われるのかを事前に計算し、証拠金の金額とレバレッジを調整することでロスカットの損失額を自分が損切りしたい金額に合わせておくと、ロスカットの仕組みを上手に使い自動的に損切りしてもらうこともできます。

まとめ

レバレッジとは何か、その仕組みやメリット、注意点、そして用語などを詳しく解説しました。レバレッジを活用した金融商品として代表的なものがFXですが、株式投資の信用取引もレバレッジを利用しています。投資信託の商品にもレバレッジを活用し、投資対象の実際の値動きよりも値動きが大きくなる商品が少なくありません。FXのように25倍までのレバレッジを掛けられるわけではありませんが、そういった金融商品を購入する際にも少ない元手でも大きな取引を行うことができる原理は同じ。そのため、どのような効果があるのかを理解しておくと、他の金融商品を判断する際にも役に立ちます。

 

資金を効率よく使うことができる反面、高いレバレッジを掛けることは損失も予想以上に大きくなってしまう可能性があることに注意しなければなりません。FXは25倍までという特に大きなレバレッジを掛けられますが、ロスカットも少しの為替差損で発生するようになります。そのため、初心者のうちは高いレバレッジを掛けるのは避けた方が良いでしょう。

 

あらかじめ損切りする損失額を定め、ロスカットが行われる損失額や為替レートを決めておくこと。そして、それに合わせてロスカットされるよう証拠金とレバレッジを調整する等、自分の戦略に合わせてロスカットを利用すると、自動的に損切りすることもできます。

 

FXはレバレッジを掛けて、わずかな為替相場の変動を利益にすることができる金融商品です。そのため、レバレッジの仕組みを理解して使いこなすことはとても重要になります。手元の資金を有効活用できるよう、ご自身の戦略に合わせて上手に活用していきましょう。

監修者プロフィール:

小川 洋平(オガワ ヨウヘイ)

日本FP協会認定 CFP🄬、合同会社clientsbenefit 代表、FP相談ねっと認定FP、SG中越代表

<プロフィール>

25歳でお金の知識・営業経験ゼロから保険営業の世界に飛び込み6年半従事。2年目に将来の資産形成のため金融知識が必要なことに気が付き、FPの勉強を始めて金融・経済の知識を学ぶ。その後、保険に限らずあらゆるお金の面でクライアントにとってベストな提案をしたいという想いで、商品販売ではなく相談業務を開始。2013年より資産形成の考え方に関するセミナーを自主開催。その他、大手金融機関からの委託により実施。現在は小規模事業者の年金や資産運用のサポートを中心に相談・経営支援の業務に携わり、確定拠出年金など起業家の将来の資産形成と経営のサポートを行っている。投資信託や資産形成の分野を得意としている。