積立投信とは?

昨今、積立投資が流行っています。その中でも人気の、投資信託を使った積立投信についてご説明します。

積立投信とは?

積立投信とは

積立投信とは

積立投信とは、毎月一定額の投資信託を購入する投資手法になります。投資に時間をかけたくない方、そして運用の知識に不安がある方でも挑戦しやすい投資です。

ちなみに、投資信託とは投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家であるファンドマネージャーが投資家に代わって株式や債券などに投資・運用する金融商品です。そのため、投資家は常にマーケットを見ている必要がありません。こうしたことからも、仕事や家事に忙しい方にとって投資しやすい金融商品と言えるでしょう。

積立投信のメリット

積立投信のメリット

積立投信には、主に6つのメリットがあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

毎月自動積立のため投資に気を配る必要がない

積立投信は毎月あらかじめ決めた日に、自動で投資にお金を回します。そのため、投資のタイミングに気を配る必要がありません。積立投信ではない一般的な投資の場合、自分の判断で投資することが求められます。

自分の判断で投資すると、購入を検討している投資信託の基準価格が下がった際に飛びつきたくなるかもしれません。一方、積立投信であれば自分の判断での投資ではなく自動的に投資へお金を回してくれるため、長い目で見ると平均購入単価が安定するメリットがあります。

購入タイミングに困らない

購入のタイミングに困らないのも、積立投信の大きなメリットです。先ほど少し触れましたが、購入を検討している投資信託の基準価格が下がると、つい飛びつきたくなります。しかし、そのタイミングが本当に良いのかは分かりません。一方、積立投信は毎月自動で投資信託を購入してくれますので、投資に余計な気を回す必要がないのです。

少額スタートできる

積立投信は、証券会社によって毎月100円程度から始めることができます。少ない金額から投資できるのは、積立投信の大きなメリットです。
例えば、これから資産形成を考える若い世代の場合、一括で大きな投資をするのは難しいでしょう。しかし、毎月100円程度から始められれば、投資を身近なものとして捉えられるでしょう。

投資のプロが運用してくれる

これは積立投信だけのメリットではありませんが、投資信託は前述の通り運用のプロであるファンドマネージャーがすべて運用してくれます。投資対象である株式や債券などの売買もファンドマネージャーが判断して行うため、投資に詳しくない方でも無理なく利用が可能です。また、仕事や家事に忙しいと、なかなか投資に時間を費やせないこともあります。そのような場合でも、投資のプロが運用してくれる点はメリットと言えるでしょう。

分散投資ができる

分散投資とは、様々な資産に分散をして投資をする投資手法です。株式や債券など投資対象は多くありますが、投資対象によって値動きがまったく異なります。いろんな資産に分散して投資することにより、各資産がそれぞれの資産を補えるので、安定的な動きが期待できるでしょう。

投資信託は、一般的に様々な投資対象に1本のファンドで投資されています。そのため簡単に分散投資ができ、さらに積立投信を使えば時間分散も可能です。時間分散とは、投資するタイミングを変えることで安定的な値動きを期待できる投資手法になります。積立投信は、分散投資や時間分散を自然と行えるのです。

ドルコスト平均法が使える

ドルコスト平均法とは、一定金額で定期的に投資信託や株式などの金融商品を購入していく投資手法になります。これによって、投資信託などの金融商品の価格が高いときは少ししか買えず、価格が低いときはたくさん買うことが可能です。株価が高いときも安いときも購入することによって、一括で購入するより損をしにくいドルコスト平均法です。

積立投信のデメリット

積立投信のデメリット

積立投信には、主に3つのデメリットがあります。詳しく解説しますので、あらかじめ覚えておきましょう。

手数料がかかる

積立投信にかかわらず、投資信託には手数料がかかります。購入時の手数料がゼロだとしても、ランニングコストである信託報酬は必ずかかってしまうのです。もちろん、プロのファンドマネージャーが代わりに運用してくれるので、ある意味では仕方のない部分かもしれません。しかし、手数料がかかってしまうのは、積立投信のデメリットと言えるでしょう。

元本保証ではない

こちらも積立投信に限らず、投資信託で運用する以上、元本保証ではありません。もちろん、積立投信の手法を使うことによって分散投資や時間分散ができます。また、ドルコスト平均法も自然と利用できるため、一括投資に比べリスクを抑えられるでしょう。しかし、それでも決して元本保証ではないので、しっかり理解しておいてください。

売却益や分配金に課税される

売却益や分配金は、利益に対して20.315%が課税されます。ただし、次にご紹介するNISAを利用すれば、これが非課税となるのでデメリットを回避することが可能です。

積立投信にはつみたてNISAがおすすめ

積立投信にはつみたてNISAがおすすめ

つみたてNISAとは、積立投資専用の非課税制度のことです。年間40万円まで20年間にわたり非課税になり、利益にかかる20.315%の税金が発生しません。金融機関で専用口座を作成後、つみたてNISA口座を作成することで開設が可能になります。ただし、一般NISA口座をすでにお持ちの方は、つみたてNISA口座との併用ができないので注意しましょう。

<つみたてNISAの概要>
・利用できる人:日本に住んでいる20歳以上の人
・年間投資上限額:40万円
・投資期間:最大20年間(2018年から2047年)
・投資対象商品:金融庁が承認した投資信託・ETF
・利用できる口座数:1人1口座
・一般NISAとつみたてNISAの併用は不可

つみたてNISAのメリットとは?

つみたてNISAのメリットとは?

つみたてNISAには、主に4つのメリットが挙げられます。

利益に対して税金がかからない

先述の通り、つみたてNISAを利用して利益が出た場合、その利益に対して税金はかかりません。これは、つみたてNISAの最大のメリットと言えるでしょう。

少ない金額からでも投資できる

つみたてNISAは、証券会社によって100円程度から投資が可能です。また、LINEポイントやTポイントなどのポイントでも投資できます。少ない金額あるいはポイントを利用して投資できるのは、特に投資初心者にとっては非常にありがたいはずです。

商品性が非常に良い投資信託の利用ができる

つみたてNISAで利用できる投資信託は、金融庁の審査に通過しなければなりません。そのため、非常に商品性が良いことが特徴です。投資初心者でも、安心して投資信託による運用を始められるでしょう。

いつでも解約できる

つみたてNISAは最長20年間まで投資できますが、いつでも解約できます。急にお金が必要になったとき、いつでも解約できるのは安心感があるでしょう。

まとめ

積立投信について詳しくご説明しました。積立投信は数ある投資法の中でも、安定的に利益が狙える投資手法として有名です。積立投信を利用すれば、投資に有効とされている分散投資や時間分散、ドルコスト平均法を自然と使えます。
しかし、決して元本保証ではありません。また、利益を出すためには時間がかかるのが一般的です。メリットと共に、しっかりデメリットも理解しておいてください。積立投信は少ない金額から始められるため、これから資産を形成する必要がある方にとっては特におすすめの投資手法です。

※NISAは、2023年1月1日以降、年齢要件が20歳以上から18歳以上に引き下げられます。

監修者プロフィール

渡辺 智(ワタナベ サトシ)
FP1級、証券アナリスト。

<プロフィール>
大学商学部卒業後は某メガバンクに11年勤務し、リテール営業やプライベートバンカー業務、資産運用コンサルティング(投資信託、保険、債券、外貨預金など)、融資関係業務(アパートローン、中小企業融資)などを経験。銀行在籍中、2度の最優秀営業賞を受賞。銀行在籍時の金融商品販売額は500億円を超え、3000人を超える顧客に金融商品営業を行う。その後、外資系保険会社でコンサルティング営業として従事し、現在は業務経験・知識を活かして金融ライターとして独立。難しい金融を分かりやすく伝えることをモットーに活動中。