老後のお金が不安?まずは老後資金の基本的な考え方を理解しよう!

老後のお金が不安?まずは老後資金の基本的な考え方を理解しよう!

ライフプランニングから始める資産形成のはじめ方ということで、これまで以下の5回にわたり基本的な考え方をご説明してきました。

今回は今後の人生におけるお金の収支と資産残高の推移について確認するライフプランシミュレーションについてご説明致します。

① 老後資金の準備は公的な保障、職場の退職給付、自助努力の順で考えよう

今回の老後資金は資産形成の全体像の中では、次の図の④の部分になります。

老後資金の準備は公的な保障、職場の退職給付、自助努力の順で考えよう

2年ほど前に「老後2,000万円問題」などと言われ、老後資金について注目が集まりましたが、老後に向けたお金の準備は、公的な保障、職場の退職給付、そして自助努力という順番で考えていくことが大切です。

日本は国民皆年金の国ですから、会社員・公務員の方は厚生年金保険に、個人事業主等の方は国民年金保険に加入され、定期的に年金保険料を納めているはずです。

そして、会社員・公務員の方であれば、退職一時金や企業年金など、職場の退職給付がある方も多いのではないかと思います。

つまり、老後に向けてお金を準備する際には、次のようにまずは公的な保障である公的年金がいくらになりそうか、次に職場の退職一時金や企業年金がいくらになりそうかを確認の上、最後にご自身でどのくらい準備していく必要があるかを考えていくことになります。

老後資金の準備は、国、職場、自分の順番で

公的年金は破綻するのではないか、自分が定年退職する頃には勤め先は倒産しているのではないか、などと悲観的になりすぎてはいけません。現実的な数字を確認していくことが大切です。

この考え方に基づいて、会社員・公務員の方、個人事業主・フリーランスの方のそれぞれについて、どのような制度・仕組みがあるか、ご説明致します。

② 会社員・公務員の方が老後に備えていく時の考え方

会社員・公務員の方の場合、次の表のようになっています。

会社員・公務員の方が老後に備えていく時の考え方

まず公的な保障として厚生年金保険に加入されています。令和3年度の年金額改定では、夫婦のうち一方が40年間平均的な収入(月額43.9万円)で就業という厚生労働省のモデル世帯の場合、65歳から受給する公的年金額は月額約22万円、同条件での共働き夫婦の場合は、月額約31万円となります。ご自身の実際の数字について「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認しておきましょう。

次に、職場の退職給付として退職金や企業年金について確認しましょう。今後のキャリアによっても最終的な水準は異なると思いますが、イントラネットや福利厚生のしおりなどにモデルケースなどの参考金額が掲載されているかと思います。ぜひ確認してみましょう。

これら、公的年金と職場の退職給付を確認しないことには、自分でいくら準備していけばよいのかわかりません。ゴールがわからずに走り出しても、適切なゴールに向かって走っているのかわからないまま走り続けることになります。

毎月1万円の積み立てで十分なのか、毎月5万円積み立てていく必要があるのか、老後資金を意識し始める年齢によっても変わってきます。公的年金と職場の退職給付についてご自身の数字をしっかり確認してから、自助努力としての準備をスタートすることが大切です。

③ 個人事業主・フリーランスの方が老後に備えていく時の考え方

次に、個人事業主やフリーランスの方の場合について確認していきます。

個人事業主・フリーランスの方が老後に備えていく時の考え方

まず公的な保障ですが、こちらは国民年金に加入されていますので、上述の厚生労働省のモデル世帯の計算によると、1人あたり月額約6.5万円となります。夫婦二人とも国民年金のみということですと、月額約13万円となります。

自営業の方は定年退職がありませんので、働けるうちは長く働く、稼げるうちにしっかりと準備しておく、といったことが大切です。

上の表を見ると自営業の場合には職場の保障はありませんので、公的年金の上乗せとしては基本的に自助努力となります。ただし、自助努力と言っても、所得控除など税制上優遇される制度もあれば、税制優遇のない一般的な商品・サービスもあります。

言うまでもなく優先的に利用していくべきは、税制上の優遇措置があるものです。例えば、個人型確定拠出年金や小規模企業共済は掛金全額が小規模企業共済等掛金控除という所得控除となりますので、現役時代の所得税、住民税を節税することが可能です。

例えば小規模企業共済は貸付制度があり、拠出した掛金の一部を事業資金として低金利で借り入れることができます。各制度で特徴がありますので、ご自身で使いやすいものを選ばれるとよいでしょう。

最後に

老後資金はいつから、どんな風に準備していけばよいのか、とご不安に感じられている方もいるかと思います。

老後資金はいくら準備すればよいという正解はありません。というのも、人生100年時代、いつまで老後が続くかは誰にもわからないからです。そのような意味で、最も頼りになるのは、生きている限り一生にわたって受け取ることができる公的年金です。

老後資金の準備を始める際には、ぜひご自身の公的年金の見込額を確認することから始めて頂ければと考えています。

著者プロフィール

横田健一

ファイナンシャルプランナー。株式会社ウェルスペント 代表取締役

大手証券会社にてデリバティブ商品の開発やトレーディング、フィンテックの企画・調査などを経験後、2018年1月に独立。「フツーの人にフツーの資産形成を!」というコンセプトで情報サイト「資産形成ハンドブック」を運営。家計相談やライフプラン・シミュレーションの提供を行い、個人の資産形成をサポートしている。

資産形成ハンドブック:https://shisankeisei.jp/
YouTubeチャンネル 資産形成ハンドブック :
https://www.youtube.com/channel/UCLAKtSh8TLpEA19PyD2cuOA

イラスト@mofusand

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