ライフプランシミュレーションで将来のお金を見える化しよう!

2021年10月28日

ライフプランニングから始める資産形成のはじめ方ということで、これまで以下の4回にわたり基本的な考え方をご説明してきました。

 

・ライフプランニングから始める資産形成初めの一歩(2021年7月13日)

・自分の人生を設計する!ライフデザインのはじめ方(2021年7月16日)

・収入と支出を確認して資産形成を始めよう!(2021年8月24日)

・資産形成を始める前に、今あるお金をしっかり確認しよう!(2021年9月30日)

 

今回は今後の人生におけるお金の収支と資産残高の推移について確認するライフプランシミュレーションについてご説明致します。

① ライフプランシミュレーションをやってみよう!

人生設計、家計の収支状況、資産状況と確認できたら、今後20~30年といった少し長めの期間でお金がどのように推移していくか確認するライフプランシミュレーションをやってみましょう。

 

今回のライフプランシミュレーションは資産形成の全体像の中では、次の図の③の部分になります。

なお、以下でご説明するライフプランシミュレーションを実際に行うには主に次のような方法がありますので、ご自身でやりやすい方法を選んでいただければと思います。

 

1. インターネット上で提供されている各種ライフプランシミュレーションツールで作成

2. 各種ワークシートなどを利用して作成(日本FP協会提供のワークシートなど)

3. エクセルなどの表計算ソフトを使って作成

4. ファイナンシャルプランナーなどの専門家に依頼して作成

②最初にライフイベントを整理しましょう

ライフプランシミュレーションを行うためには、まずライフイベント表を準備します。次のような形で、家族全員の年齢を1年毎に書き出した上で、ライフイベントがあれば記入していきましょう。

マイホームの購入、自動車の買い替え、転職、お子様の入学や進学、定年退職など思いつくライフイベントを記入していきます。ご家族でしっかり話しながら、記入していきましょう

 

③ 家計収支の推移を作りましょう

現在の年間収支を確認した上で、今後の収支についても現時点での見込み金額を見積もり、次のような形で、本人や配偶者の手取り収入金額、生活費や教育費などを1年毎に記入していきます。

 

今後の収入がどのくらい上がっていくか正確にはわからないと思いますが、正しいかどうかはその時になってみないとわかりませんので、まずはご自身の推測で記入してみましょう。その上で、楽観的な場合や悲観的な場合など、別のパターンを後から計算してみるとよいでしょう。

支出については、収入アップに合わせて増やしていくという考え方もありますが、よくわからなければとりあえず現状維持でよいかと思います。また、お子様の教育費など、一般的な教育費については公立や私立で学年別のデータを参考にしながら記入してみましょう。

 

そして、1年毎に収入合計、支出合計を計算した上で、収入合計から支出合計を引き算して年間収支を計算していきます。

 

こちらの表では今後10年分を示していますが、できれば20~30年くらい計算してみるとよいでしょう。

 

④家計収支の推移をグラフにしてみましょう

エクセルなどの表計算ソフトに慣れている方は、作成した家計収支の推移を次のような形でグラフにしてみましょう。

 

こちらは30年分の家計収支の推移(キャッシュフロー表)をグラフにしたもので、上向きの棒グラフは手取り収入を、下向きの棒グラフは支出を、赤色の折れ線グラフは家計収支(=手取り収入-支出)を示しています。

 

これを見ると、40代以降でお子様の教育費負担が大きくなりそうであること、一方で退職金を受け取るタイミングでは非常に大きな黒字となりそうなことがわかります。

⑤資産残高の推移を確認しよう!

次に、今後の家計収支を前提とした場合に、今持っているお金が増えていくのか、減っていくのか、資産残高の推移を確認してみましょう。

 

年間収支と今持っている資産(預貯金および運用資産)から、次のように今後の資産残高を計算してみましょう。今回は預貯金の利回りは0%、運用資産の利回りは3%として計算しています。また、年間収支が黒字の場合、その6割を預貯金に、残り4割を運用資産に積み立てるという前提で計算しています。つまり、つみたてNISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)などの口座で運用していくイメージです。

 

⑥資産残高の推移をグラフにしてみよう!

家計収支の推移と同様に、資産残高の推移についても次のようにグラフにしてみましょう。

今後、お金が増えていくのか減っていくのか、預貯金と運用資産の割合はどのように変化していくのか、グラフにするとわかりやすいですね。

最後に|ライフプランシミュレーションは定期的にアップデートしていきましょう!

このように家計収支と資産残高の推移を計算し、グラフにしてみると、今後20~30年のお金の推移が見える化できます。

 

ここで1つ気をつけていただきたいのですが、この計算はあくまで試算に過ぎません。つまり、現在考えている想定がすべてそのまま実現した場合の結果です。現実はすべて想定通りにいくものではありません(むしろ、ほとんどの部分が想定通りにならないと思ったほうがよいかもしれません)。

 

楽観的な場合、悲観的な場合など、いくつかのシナリオを設定して試算してみるとより深く理解することが可能になります。

 

そして、大切なことは、このようなライフプランシミュレーションを定期的にアップデートしていくことです。できれば年に1回くらい、少なくても2~3年に1回くらいの頻度では情報を更新していくことで、お金の状況についての振り返りになりますし、今後のお金の使い方について考える機会となります。

 

特に将来のお金について漠然とした不安をお持ちの方は、ライフプランシミュレーションを行うことで、具体的にどのような対策、アクションを取ればよいのか明確になってきます。ぜひ一度試してみていただければと思います。

著者プロフィール

横田健一

ファイナンシャルプランナー。株式会社ウェルスペント 代表取締役

大手証券会社にてデリバティブ商品の開発やトレーディング、フィンテックの企画・調査などを経験後、2018年1月に独立。「フツーの人にフツーの資産形成を!」というコンセプトで情報サイト「資産形成ハンドブック」を運営。家計相談やライフプラン・シミュレーションの提供を行い、個人の資産形成をサポートしている。

 

資産形成ハンドブック:https://shisankeisei.jp/

YouTubeチャンネル 資産形成ハンドブック :

https://www.youtube.com/channel/UCLAKtSh8TLpEA19PyD2cuOA

イラスト@mofusand