資産形成を始める前に、今あるお金をしっかり確認しよう!

2021年9月30日

ライフプランニングから始める資産形成のはじめ方ということで、これまで以下の3回にわたり基本的な考え方をご説明してきました。

 

・ライフプランニングから始める資産形成初めの一歩(2021年7月13日)

・自分の人生を設計する!ライフデザインのはじめ方(2021年7月16日)

・収入と支出を確認して資産形成を始めよう!(2021年8月24日)

 

今回もさらに進んで、具体的なお金の話、特に資産状況についてご説明します。

① 今あるお金を棚卸ししよう!

 全体像としては次の図の②のうち、右側の資産残高一覧表(バランスシート)という部分になります。今回も実践編ですので、是非電卓を片手にご覧ください。

今回の最終ゴールは次のような資産(金融資産や不動産等)や負債(借入金等)の一覧表を作成することになります。

みなさん、企業の健康状態(財務状態)を見るための貸借対照表(バランスシート=B/Sとも言われる)をご存知でしょうか?こちらの表は、その家計版のバランスシートであり、著者は資産残高一覧表とも呼んでおります。

 

左側に資産を並べていきますが、預貯金、有価証券、退職金・年金、生命保険といった金融資産に加えて、マイホームなどの不動産も含まれています。

 

一方、右側の負債欄には、クレジットカードの利用残高、住宅ローン、奨学金などの借入金を並べていきます。

 

資産の合計金額から、負債の合計金額を差し引いたものは純資産と呼ばれていて、正味の資産を表しています。大まかなイメージとしては、左側の資産をすべて売却して現金化し、そのお金で右側の借入金をすべて返済した時に、最終的にいくら残るか、ということになります。

 

この資産残高一覧表/バランスシートを作成する具体的な手順についてご説明していきます。

 

 

資産:預貯金

 

まず預貯金ですが、普通預金はもちろん、定期預金や外貨預金など、預金、貯金といったすぐに現金化できるもの、そして手元やタンスの中にある?現金すべての残高をリストアップしてください。

 

会社員の方であれば、給与天引きで積み立てている社内預金や財形貯蓄なども含まれます。

 

 

資産:有価証券

 

株式、債券、投資信託などを証券口座で保有されている方はその残高をチェックしましょう。特定口座、NISA口座、つみたてNISA口座、ジュニアNISA口座、一般口座など、ご自身以外にご家族がいる方は全員分すべての口座の残高を確認してください。

 

また、会社員の方はお勤め先で持株会をやっている場合はその残高も確認してください。できるだけ最新の残高であることに越したことはありませんが、半年前や1年前の報告書でも構いませんので、大まかな金額を確認しておきましょう。財形貯蓄でも、中身が投資信託など預貯金以外の場合にはこちらにまとめておくとよいでしょう。

 

 

資産:退職金・年金

 

会社員の方で退職金の見込み額が分かる場合にはその金額を記入します。企業型確定拠出年金や個人型確定拠出年金で運用されている方は、最新の残高をチェックしておきましょう。

 

個人事業主の方で、小規模企業共済や国民年金基金などに加入されている方はこれまでに拠出した掛金の合計額を記入しておけばよいでしょう。

 

 

資産:生命保険契約

 

生命保険については、貯蓄性のある、つまり解約した場合に一定金額が返ってくる契約に加入されている場合に、その解約返戻金の金額をチェックして記入しましょう。

 

 

資産:不動産

 

マイホームや投資用など、不動産をお持ちの方はその金額を確認します。できれば現在売却したらいくらで売れそうか、という金額が望ましいのですが、難しい場合には購入時の金額を書いておきましょう。

 

 

資産:その他

 

資産の最後ですが、ご自宅にあるもので換金できそうなものがあればそれを記入していきます。自動車、貴金属、高級時計、ゴルフ会員権、美術品など、ある程度の金額で売却できそうなものがあれば記入しておきましょう。

 

 

負債

 

次に右側の負債ですが、こちらについてはクレジットカードの利用残高といった返済期限が1~2ヶ月程度のものから、住宅ローンや奨学金のように返済期間が長期のものまで、あらゆる借入金の最新残高を確認します。

 

各種ローンについては、できれば残高だけではなく、それぞれの借入金利も併せてチェックしておくとよいでしょう。金利が高いものがある場合には、優先的に返済していくことも考えましょう。

 

② 給与天引きや口座振替のお金を忘れずに

会社員や公務員など給与所得者の方は給与天引きで積み立てているもの、そして他にも口座振替など自動積立になっているものなど、見落としがないかもう一度確認してみましょう。

 

残高の報告書が年に1回しか郵送されてこなかったり、自分でネットにログインしないと残高がわからなくなっていたり、など、その存在自体を忘れてしまっているものがないか、必ず確認してください。

最後に

 

ご家庭のお金について棚卸しはできたでしょうか?

資産と負債の両方をもれなく確認し、資産合計と純資産の金額を確認してみましょう。それが資産形成に向けた現在のスタート地点です。各計算が少し煩わしいなぁと思われる方もいるかもしれませんが、確定拠出年金や保険金の解約返戻金については電話で問い合わせればすぐ確認が取れると思いますし、資産形成を始めてからも、年に1回など、できれば定期的にチェックしていくと、資産形成の進捗状況が見える化できます。

 

ぜひ年に一度、家計の健康診断として継続していただければと思います。

著者プロフィール

横田健一

ファイナンシャルプランナー。株式会社ウェルスペント 代表取締役

大手証券会社にてデリバティブ商品の開発やトレーディング、フィンテックの企画・調査などを経験後、2018年1月に独立。「フツーの人にフツーの資産形成を!」というコンセプトで情報サイト「資産形成ハンドブック」を運営。家計相談やライフプラン・シミュレーションの提供を行い、個人の資産形成をサポートしている。

 

資産形成ハンドブック:https://shisankeisei.jp/

YouTubeチャンネル 資産形成ハンドブック :

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イラスト@mofusand