バイデン大統領就任でどうなる?

急激な相場上昇の要因と今後の相場展望は?

 

2020年11月12日

 

12月末の日経平均株価は上昇をしめすとも。バイデン大統領就任とワクチン普及で恩恵を受けるテーマも特集します。

急激な相場上昇の要因は?

米大統領選挙でのバイデン氏当選を受けて、11月4日終値から11日終値までのわずか5営業日の間に日経平均株価は23,695円から25,349円に6.9%、NYダウは27,847ドルから29,397ドルに5.5%上昇しました。

 

この急激な株価上昇の背景にあるものは、まずバイデン氏が掲げている巨額の財政出動およびそれによってもたらされると期待される経済成長率の上昇があげられます。

 

バイデン氏は新型コロナウイルスにより打撃を被った米経済を立て直すため、今後10年で追加経済対策として3兆ドル、インフラに2兆ドル、教育に1.5兆ドル、ヘルスケアに1.4兆ドルなど合計11兆ドルの歳出拡大を実行することを掲げています。法人税や富裕層向けには増税を計画していますが、増税額は3兆ドルで、ネットでは8兆ドルの歳出拡大となります。1年当たりの歳出拡大は単純に均すと0.8兆ドルとなりますが、これは米国のGDP約20兆ドルの4%に相当する規模で、GDPをそれだけ押し上げる効果が期待されますので、これを先取りして株価は上昇しています。

今後の相場展望について

株式市場には「株は10月末のハロウィンに買って、5月に売れ」という格言があります。これは経験則的にこの期間の株価は比較的強く推移してきたことを示しています。実際に2010年から2019年の日経平均株価を検証すると、11月は10回のうち9回上昇しており平均上昇率は3.8%です。12月も10回のうち7回上昇し、平均上昇率は0.9%でした。11月および12月の合算では、10回のうち7回上昇し、平均上昇率は4.9%におよびます。

 

この10年間で11月~12月の上昇率が最大となったのは第2次安倍政権(2012年12月26日発足)誕生への期待が膨らんだ2012年11月~12月であり、2カ月間の上昇率は16.4%に達しました。また、トランプ大統領が選挙に勝利し同政権の経済政策に期待が高まった2016年11月~12月も9.6%の上昇を示しました。

 

これらの上昇率を参考にすると、12月末の日経平均株価は上昇をしめすと考えられます。リスク要因としては、トランプ大統領は選挙での敗北を認めておらず徹底抗戦の姿勢を示しておりますが、この状態が長期化し、市場がバイデン政権での経済成長シナリオを白紙に戻す必要が生じた場合があげられます。この場合、日経平均株価は10月末の水準まで下落する可能性もあるでしょう。

今後、有望な投資テーマは?

今後、特に有望視されるテーマとしてはインバウンド、精密モーター、金融などがあげられます。

 

11月9日米製薬大手ファイザーは、開発中の新型コロナウイルスワクチンの臨床試験について、「90%を超える予防効果がある」とする暫定的な結果を発表しました。これを受けて10日の東京市場では、航空会社や百貨店などインバウンド関連銘柄が大幅上昇を示しました。ワクチンの普及により次第に海外との人の往来も復活してくるものと思われます。

 

スマートフォンやノートパソコン、HDDなどに用いられる精密モーターも有望テーマとなるでしょう。5G通信ネットワークの普及に伴い、あらゆるデバイスで通信速度やデータ量の飛躍的な増加が見込まれています。そして、それらを高速処理するCPUや電子回路は絶えず冷却する必要がありますが、これには冷却ファンが用いられファンを動かす精密モーターは欠かせません。

 

また、銀行株などバリュー株も有望テーマとなるでしょう。米10年国債利回りは4月以降概ね0.75%を下回る水準で取引されてきましたが、バイデン政権の巨額の財政出動および成長期待の高まりにより、11月9日には同利回りは一時3月以来となる0.97%まで上昇しました。米長期金利の上昇は、銀行や保険会社など金融機関の資産運用環境にポジティブな影響をもたらす可能性があります。

 

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レポート作成元:株式会社フィスコ

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