【緊急レポート】直近のドル高・ユーロ高の要因は?今後の為替想定も解説

6年ぶりに1ドル120円を突破、円安・ドル高が続いています。今後の為替の見通しを確認し、それによって恩恵を受ける個別銘柄をチェックしてみましょう。

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【緊急レポート】直近のドル高・ユーロ高の要因は?今後の為替想定も解説

【米ドル・円】

【米ドル・円】

年初から4月初旬までの相場展開について

 ドル・円は年初の116円台前半から、1月下旬にかけて113円47銭までドル安・円高が進行したものの、2月以降はドル高・円安の相場展開となり、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まった2月24日以降、この流れは鮮明となりました。3月28日には2015年8月以来となる1ドル=125円台(125円09銭)のドル高・円安となる場面がありました。ドル高・円安は3月末時点で一服したものの、1ドル=122円台を維持して4月を迎えることになりました。今回はドル高・円安がここまで進んだ要因とドル・円相場の今後の見通しについてお伝えしたいと思います。

ドル高・円安が進んだ3つの要因

その1:米政策金利の大幅な上昇予想

 2021年半ば以降、米国経済正常化への期待が高まったものの、同時にインフレ進行の懸念が広がりました。2022年1月25-26日に開かれた連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で「政策金利であるFF(フェデラルファンド)金利の目標誘導レンジの引き上げが間もなく適切になる」との見解が表明されました。そして、3月15-16日開催のFOMC会合でFF金利の目標誘導レンジを0.25-0.50%に引き上げることが決定されました。同時に「目標誘導レンジの継続的な引き上げが適切になると予想する」との見解も表明されました。FOMCが3月16日に公表した最新の経済・金融予測によると、政策金利は2022年末に1.8%程度、2023年末には2.8%程度(いずれも予測中央値)まで上昇する見通しとなっています。

その2:ロシアによるウクライナ侵攻で安全逃避的なドル買いが増加

 ロシアのプーチン大統領は2月24日に、「ウクライナで軍の特殊作戦を実施する」と表明し、その直後より、ロシア軍によるウクライナ各地への攻撃が開始されました。ロシアと西側諸国の対立はさらに深まり、大規模な軍事衝突に発展する可能性が浮上したことから、安全性が高いとされる資産を求める動きが活発となりました。外為市場では、日本円やユーロを売り、安全性が高い米ドルを買う動きが広がりました。(安全逃避のドル買い)

 昔からの格言で、有事のドル買いと言う言葉がありますが、まさにその流れとなっています。

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その3:日米金利差の拡大予想

 高インフレに対応する必要があることから、米連邦準備制度理事会(FRB)は今年合計7回の利上げを行う可能性があります。一方、日本銀行の黒田総裁は円安のメリットを強調し、現行の金融緩和策を継続する意向を伝えていることから、日米の政策金利差は段階的に拡大すると予想されており、ドルの優位性が高まることからドルは対円で下げづらい状態が続くとみられています。

■ドル・円の想定レンジ

 1ドル=120円を突破した後、2015年8月以来となる125円09銭までドル高・円安が進行しました。次の目標は2015年6月につけた125円86銭との見方が有力です。一方、下値目途は心理的な節目である120円、アメリカの利上げ実施後の安値118円37銭の2点が意識されそうです。当面の想定レンジは118円35銭-125円85銭と想定します。

【ユーロ・円】

【ユーロ・円】

■年初から4月初旬までの相場展開について

 1ドル=120円を突破した後、2015年8月以来となる125円09銭までドル高・円安が進行しました。次の目標は2015年6月につけた125円86銭との見方が有力です。一方、下値目途は心理的な節目である120円、アメリカの利上げ実施後の安値118円37銭の2点が意識されそうです。当面の想定レンジは118円35銭-125円85銭と想定します。

ユーロ高・円安が進んだ要因

その1:欧州中央銀行による年内利上げ観測

 欧州中央銀行(ECB)は2月と3月に開いた理事会で、インフレ率の中期的な見通しの影響について議論しました。中期的なインフレ率が低下しないと予想される場合、債券・国債の購入プログラム(APP)を今年7-9月期に終了し、その後に各種政策金利の引き上げが開始されます。今年10-12月期には現在0.00%である政策金利(主要リファイナンス・オペ金利)が0.25%以上となると予想されています。

その2:日欧金利差の拡大予想

 インフレ進行に対応する必要があることから、欧州中央銀行(ECB)は今年10-12月期に政策金利の引き上げを計画していますが、日本銀行の黒田総裁は円安のメリットを強調し、長期債利回りを0%程度で推移させるという目標を堅持する意向です。日欧の政策金利差は来年にかけて拡大すると予想されており、円相場の下落を招く要因となります。

ユーロ・円の想定レンジ

 直近高値の137円53銭が当面の上値目途になりそうです。この水準を超えた場合、2015年6月につけた141円06銭が意識されそうですが、新たなユーロ買い・円売り材料が提供されることが必要でしょう。一方、下値目途は直近安値の124円40銭から高値137円53銭までの上げ幅(13円13銭)の半値戻し(約6円56銭)に相当する129円97銭近辺(おおむね130円)と想定します。4月1日時点の200日移動平均は130円14銭近辺に位置しており、1ユーロ=130円近辺は節目の水準であると思われます。この水準を下回った場合、3月7日の安値124円40銭までユーロ安・円高が進行する可能性があるものの、日欧金利差拡大の可能性があるため、大幅なユーロ安に振れる可能性は低いと思われます。当面の想定レンジは130円00銭-137円50銭と想定します。

円安が日本株に与える影響

安が日本株に与える影響

 特に日本の輸出企業にとって円安の局面は、製品等の価格競争力が高まることから業績を向上させることが期待されます。前述したように当面の想定レンジは比較的高い円安水準が継続すると予想されることから、日本株市場には追い風となることが期待されます。一方で、原油価格等の資源価格も比較的高い水準で推移しており、資源輸入国である日本の企業にとっては業績のマイナス要因となりうる可能性がありますので、そちらにも注意しながら銘柄選定をしてみるといいでしょう。

日経平均動向をチェック

日経平均動向をチェック

 まず4月4日~8日は、4日ぶり反発からのスタート。1日の米国市場では3月の雇用統計を受けて労働市場の強さが好感された一方、5月の連邦公開市場委員会(FOMC)での大幅利上げ観測が強まったほか、長短金利の逆転で景気後退懸念も広がりました。週明けの日経平均はこの流れから前週末終値を挟んで一進一退の展開。5日の日経平均も続伸。ただし、寄り付きを高値に失速。黒田東彦日銀総裁の発言を受けて円相場が上昇したこともあり、上値の重い展開が続いた1日でした。6日の日経平均は3日ぶりに大幅反落。前場終盤ころには一時27214.61円(573.37円安)まで下落。ただ、午後に入ってからは、連邦公開市場委員会(FOMC)議事録(3月開催分)の内容を見極めたいとの思惑から下げ渋りました。7日の日経平均は大幅続落。ナスダック総合指数の大幅安の他、コロナ禍でロックダウン(都市封鎖)を強いられる中国経済の悪化懸念に加え、新たに変異株・亜型が相次ぎ確認されていることも重しに。

 続いて4月11日~15日は、欧州中央銀行(ECB)が政策金利を決定する他、米国の経済指標の発表も予定されています。東証の市場再編に伴う相場の盛り上がりも想定以上に見られないなか、決算発表もある程度控えているため、きっかけ待ちで方向感に欠ける動きとなりそうです。

ご参考銘柄はこちら

※CFDの買付には、CFD口座の開設が必要になります。

トヨタ自動車(7203)【いちかぶ】【CFD】


〈業務内容〉 世界最大の自動車メーカー。日本やアジア、米国で高シェア。傘下に日野自動車やダイハツ工業。マツダやSUBARUとは業務資本提携。福岡市と燃料電池車両導入検討を開始。レクサス好調もあり、3Q累計は利益急伸。 記:2022/02/09

デンソー(6902)【いちかぶ】


〈業務内容〉 大手自動車部品メーカー。世界2位。エアーコンディショニングやパワートレインに加え、走行環境認識や車両運動制御等のシステムを提供する。22.3期上期は車両販売の回復により伸長した。固定費の低減等も寄与した。 記:2022/01/03

村田製作所(6981)【いちかぶ】【CFD】


〈業務内容〉 電子部品大手。世界トップの積層セラミックコンデンサなどに強み。海外売上比率が高い。コンデンサは大幅増収。積層セラミックコンデンサはPC向けが伸長。車載向けも販売増。22.3期3Q累計は2桁増収増益。 記:2022/03/05

富士通(6702)【いちかぶ】


〈業務内容〉 国内最大のITサービス会社。官公庁、金融向けに強い。PC、電子部品の生産も。22・3期3Q上期はIT投資、DX需要が徐々に上向く。営業費用増を採算性改善で吸収し、大幅増益に。通期最高益・連続増配を見込む。 記:2021/12/16

オリンパス(7733)【いちかぶ】


〈業務内容〉 内視鏡世界首位。消化器内視鏡で世界シェア7割超。外科用も手掛け、顕微鏡、非破壊検装置も展開。次世代外科内視鏡システムやシングルユース十二指腸内視鏡開発に意欲。ロシアの大型案件寄与し、3Q累計は利益急伸。 記:2022/02/05

アドバンテスト(6857)【いちかぶ】【CFD】


〈業務内容〉 半導体の動作を試験するテスター大手。メモリ向け世界シェア50%超。ディスプレイ・ドライバーIC用テスタでシェア90%。次世代HPC対応SoC向けテスタに注力。市場環境良好で、3Q累計は増収・大幅営業増益。 記:2022/03/28

ヤマハ発動機(7272)【いちかぶ】


〈業務内容〉 輸送機器大手。二輪で世界2位、船外機やウォータービークルでは世界トップ級。産業用ロボット、ゴルフカー、発電機なども事業領域。戦略事業領域へのリソース投入を拡大。ミックス改善が進み、3Q累計は大幅増収増益。 記:2022/02/10

日立建機(6305)【いちかぶ】


〈業務内容〉 総合建設機械メーカー。建設機械国内2位、世界3位、インドで首位。超大型ショベルで高シェア。ディア社との業務提携を解消。中国は売上さえないが、米州や欧州、アジアなどで伸長。22.3期3Q累計は大幅増益。 記:2022/03/02

アルプスアルパイン(6770)【いちかぶ】


〈業務内容〉 19年に電子部品のアルプスとカーナビのアルパインが経営統合して発足。将来を見据えCASE対応製品の開発に注力。車載市場は売上増。インストルメントパネル、ドアモジュールが貢献。22.3期3Qは最終黒字転換。 記:2022/03/05

NTN(6472)【いちかぶ】


〈業務内容〉 ベアリング大手。自動車部品の等速ジョイントやハブベアリングでシェア高い。産業機械向け等も手掛ける。日本は黒字転換。産業機械補修向けなどで販売増。デリバティブ評価損は剥落。22.3期3Qは経常黒字転換。 記:2022/03/02

銘柄選定基準

円安メリットを享受すると位置付けられている主力銘柄の中から業種等も踏まえて幅広くFISCOアナリストが選定した銘柄を時価総額準に10銘柄掲載。

※金融商品取引所又は認可会員が信用取引の制限又は禁止措置を行っている銘柄を除いています
※証券金融会社が貸株利用等の申込制限又は申込停止措置を行っている銘柄を除いています

レポート作成元:株式会社フィスコ
重要事項(ディスクレーマー)
本レポートは、あくまで情報提供を目的としたものであり、投資その他の行為および行動を勧誘するものではありません。

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