いよいよシーズン!投資に活かす決算発表の見方【2】

 

2021年5月7日

 

いよいよ企業決算のシーズン!決算の見方をお伝えします!【2】

前回に続き、今回のテーマは「企業決算の見方」です。前回の記事では、決算発表における基本的なポイントは、(1)予想に対する実績(2)前年同期比の増減率の2点であることと、1つ目のチェックポイントである(1)予想に対する実績の見方をお伝えしました。今回は2つ目のチェックポイントである(2)前年同期比の増減率についてご説明していきます。

前年同期比の増減率はなぜ大事?①

図1は醤油でお馴染みのキッコーマン<2801>の2021年3月期の第3四半期(累計)の決算短信です。こちらを見てみると、2021年3月期の第3四半期(累計)の売上高は、前年同期比2.0%減の3,482.63億円、営業利益は同3.7%増の338.04億円、経常利益は同0.4%増の337.51億円、純利益は同0.8%増の236.03億円であることがわかります(※赤枠部分)。
こちらも前回記事の(1)予想に対する実績と同様に、こうなれば株価が必ず上昇、こうなれば株価が必ず下落するといった単純な話ではありませんが、基本的には前年同期比の増加幅が大きければ大きいほど、株価が上がりやすいと言えます。逆も然りで、減少幅が大きければ大きいほど、株価が下落しやすいと言えます。
ですから、この2021年3月期の第3四半期(累計)の数値だけで判断すれば、増益ではあるものの、インパクトのある決算内容とは言えないと考えられます。ただし、例えばキッコーマンの2021年3月期の通期計画(営業利益)が前期比20%減だったとすると、2021年3月期の第3四半期(累計)の営業利益は小幅でも増益を確保できていることは評価できるので、総合的に判断することが重要となります。

図1 キッコーマンの2021年3月期の第3四半期(累計)決算短信

前年同期比の増減率はなぜ大事?②

さて、上記だけでも概ねポイントはわかった方も多いと思いますが、なぜ「増減率」が大事なのかをもう少し詳しくご説明していきます。例えば、新築の住宅販売を手掛けているA社とB社があったとします。A社もB社も2021年3月期の売上高は1,000億円、営業利益は50億円だった場合、この表面的な業績情報だけでは、どちらの企業の方がより好調(成長性がある)なのかはわかりません。
しかし、「前期と比較」することで、これが見えてきます。例えば、A社の場合は前期の2020年3月期の売上高が800億円、B社は1,000億円だったとすると、A社は大幅に売上高が伸びたことになりますが、B社は横ばいで成長していないことがわかります。だからこそ、過去の業績がどのように推移している企業なのかを把握することが重要なポイントとなります。

決算短信の見方

決算短信の四半期(累計)では、経過した期間の業績の累積値が示されているのですが、四半期(単体)では、3カ月毎の業績が前年同期と比較して、どのように推移したのかを見ることができます。併用することで、より深く企業業績を理解することができます。
前回の記事でも記載しましたが、決算短信は東京証券取引所の適時開示情報閲覧サービス「TDnet」に掲載されます。LINE証券では、決算ビジュアルレポートでご確認いただけます。またニュースでも決算情報等が配信されます。まずは自分で調べることも重要だと思いますので、即時性のあるTDnetと併用すると良いと思います。

今週の相場展望は?

今週(5月10日~14日)は、決算発表のピークとなり、約2,300社の企業が実績と見通しを公表してくることになります。また、国内でも同じ傾向ですが、米国ではバリュー株に資金が流入していることも手掛けにくさに繋がり、日経平均は引き続き様子見ムードを強めそうです。さらに、ゴールデンウイーク中の新型コロナウイルスの感染状況も徐々に表面化してくるため、東京や大阪を中心に一段と悪化してくるようであれば、景気悪化への懸念が再び台頭してくる可能性があります。色々な意味で、注意が必要となる週になりそうです。

レポート作成元:株式会社フィスコ

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