【2026年8月10日】商品CFDウィークリー

金:インフレ指標注意も一段高か

■今週の想定レンジ
4,200~4,600 ドル

■概況
金相場は1オンス=4,300ドル台中盤まで急伸する展開になりました。過去1ヵ月は3,950~4,200ドル水準で方向性を欠くボックス相場が続いていましたが、同上限を突破し、高値4,371ドルまで急伸しました。引き続き米金融政策環境が注目されていますが、原油相場の軟化や7月米雇用統計が低調な数値になったことを受けて、利上げ警戒感の後退が米金利低下・ドル安を促したことが好感されました。金上場投資信託(ETF)市場に対する資金流入が確認されたこと、中国人民銀行(中央銀行)が7月の金準備高を19.9トン増やしたこともポジティブです。ボックス相場を上抜いたことで、トレンドフォローの買いも膨らみ、上げ幅が拡大しました。

■今週の戦略
米利上げ警戒の売り一巡感が強まり、反発局面への移行が打診されています。米金融政策環境は不透明感の強い状況ですが、年内1~2回の利上げ観測の織り込みが進んでいる以上、金相場が改めて大きく値を崩すリスクは限定される見通しです。今週は12日に7月米消費者物価指数、13日に7月米生産者物価指数が発表されますが、ここで改めて高インフレへの警戒感が米金利上昇・ドル高を促すようなことがなければ、押し目買い優勢の地合が続く見通しです。原油相場の動向にも注意が必要ですが、前週に約1ヵ月続いたボックス相場を上抜いた直後のため、一段高が打診されやすい環境とみられます。200日移動平均線に到達すると、底入れ感が一段と強まるでしょう。

■今週の注目イベント
・8月12日 7月米消費者物価指数
・8月13日 7月米生産者物価指数
・8月14日 米CFTC建玉報告

原油:中東情勢で乱高下が続く

■今週の想定レンジ
70~83 ドル

■概況
原油相場は1バレル=70ドル台中盤まで下落する展開になりました。中東情勢は不安定な状態が続いていますが、イランとオマーンがホルムズ海峡の航路設定で合意したことを受けて、同海峡の開放期待から一時73.56ドルまで下落しています。その後は、イランが敵対国に対してはホルムズ海峡の通航禁止を検討中との報道を受け、下値を支えられましたが、76ドル台までの切り返しにとどまりました。ホルムズ海峡が開放されるか否かは予想が困難な状況が続いていますが、マーケットは先行きに対する楽観的な見方を優先して織り込み、値位置の切り下げが続きました。フーシ派は紅海で船舶に対する攻撃を続けていますが、原油相場の反応は限定されました。

■今週の戦略
中東情勢が不安定化しているため、引き続き上下双方に10ドル程度の値幅は想定しておく必要があります。焦点はホルムズ海峡開放の有無となり、実際にホルムズ海峡のタンカー通航が本格的に再開されると、一気に70ドル水準まで下落する可能性があります。その際には、6月と同様に供給過剰見通しの織り込みが優先になる見通しです。ただし、トランプ米政権はホルムズ海峡の無条件開放を要求しているのに対して、イランは自国の管理下での船舶通航を主張しています。軍事衝突再開を含めて、中東情勢の緊張感が高まると、80ドル台前半まで切り返す可能性も残しています。基調としては、徐々に値下がりを打診する見通しですが、一本調子の値動きにはなりづらい不安定な地合が続く見通しです。8月12日の国際エネルギー機関(IEA)月報で、どのような報告が行われるのかも重要です。

■今週の注目イベント
・8月11日 EIA月報
・8月12日 EIA米石油在庫
・8月12日 IEA月報
・8月12日 OPEC月報
・8月14日 米石油リグ稼働数
・8月14日 米CFTC建玉報告

天然ガス:潤沢な在庫でじり安

■今週の想定レンジ
2.30~2.90 ドル

■概況
天然ガス相場は1mmBtu=2.6ドル台で上値の重い展開になりました。8月6日には2.632ドルまで値下がりし、4月30日以来の安値を更新しました。引き続き潤沢な在庫環境が上値を圧迫しています。熱波で発電用エネルギー需要が堅調なほか、液化天然ガス(LNG)プラント向け需要がやや回復したことはポジティブです。ただし、フリーポートLNGプラントは8月末までのメンテナンスを予定しており、一方で生産環境は良好であり、在庫余剰感が緩和される見通しが立っていないことが、天然ガス相場を下押ししました。全米天然ガス在庫(7月31日時点)は前週比330億立方フィート増の3兆1,170億立方フィート。前年同期比0.4%減、5年平均比6.7%増となりました。

■今週の戦略
在庫の余剰感が強く、上値の重い展開が続く見通しです。熱波が発生する中でも、在庫は例年並みのペースで積み増しが続いており、過去5年レンジの上限に近い高水準の在庫環境にあります。このため、突発的な需要拡大、供給障害などが発生しても、十分に対応が可能な状態が続いていることが、天然ガス相場の上値を圧迫する見通しです。特に大きなイベントなどは予定されていませんが、在庫環境に大きな修正を迫るサプライズ感のある動きがみられなければ、戻り売り優勢のじり安基調が続く見通しです。2.632ドルを下抜くと、2.5ドルの節目に接近する可能性が高まります。

■今週の注目イベント
・8月13日 EIA米天然ガス在庫
・8月14日 米天然ガスリグ稼働数
・8月14日 米CFTC建玉報告

2026年8月9日作成

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